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炎天下で悲劇…罰走を命じられた男児が心不全で急死 学校側を疑問視する声も【米】

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

12歳の男児が罰走中に体調不良を訴え、その後亡くなる痛ましい事件が米国で発生した(写真はイメージ)【写真:写真AC】
12歳の男児が罰走中に体調不良を訴え、その後亡くなる痛ましい事件が米国で発生した(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 世界各地が異常な暑さに見舞われている今年。米国でも2023年の7月は観測史上最も暑い月となりました。米カリフォルニア州の一部では、8月末に猛暑警報が発出されるなど厳しい暑さが続くなか、一人の少年が死亡する事件が。学校側の対応に疑問の声が上がっています。

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体の異変を訴えるも給水すら許されず

 炎天下で教員に罰走を命じられた12歳の男の子が心不全で急死するという悲劇が、米カリフォルニア州レイク・エルシノアで起きました。米テレビ局「NBCロサンゼルス」が報じています。

 その日、同地では気温35度近い猛暑を記録。しかし、亡くなった12歳のヤシュア・ロビンソンくんは、体育の授業に学校指定の体操着で出席しなかったことを理由に、教師から罰則として屋外で走るように命じられました。

 ほかの生徒によると、走っている最中にヤシュアくんは異変を訴えていたそうです。ところが、ヤシュアくんは給水も許されず、体調が悪化し校庭で倒れてしまいました。通報を受けた救急隊が現場に駆けつけ、ヤシュアくんは病院へ搬送されましたがその後死亡が確認されています。

「これは犯罪だ」 SNSでは学校側に憤りの声

 記事では「12歳の助けを呼ぶ声を教師は無視した、と遺族が話している」と伝えており、叔母のプラマーさんは「水分摂取の必要性を彼は先生に求めていたそうです。呼吸ができないとみんなに言っていました」と同紙に証言。さらに、同地区にある他校の体育教師であるヤシュアくんの母親は、学校側の理事に対し気温上昇を理由に「屋外では体育の授業を行わないように」と訴えていたそうですが、悲劇は起きてしまいました。

 学校側は少年の死を悼み、「我々の思いは家族と友人、そして、コミュニティとともに」と声明を発表。一方、プラマーさんは「これはひどすぎます。衆人環視のもとに起きてしまったのですから」と怒りをあらわにしています。

 同局の公式X(ツイッター)がこの悲劇を伝えると、リプライ(返信)では「これは起きてはならない。罰走だなんて、両親と家族が気の毒すぎます。本当に傷心」「エルシノアよりも涼しい場所でも座ってもいられないぐらい暑いのに……これは犯罪だ」「誰が教師であれ、逮捕に値する」と悲しみと怒りの声が渦巻いていました。

 厳しい暑さが続く日本でも、8月に小学2年生の女児が体育の授業後、熱中症の疑いで死亡する事故が起きています。子どもは大人よりも体が小さくて地表から距離が近く、熱がこもりやすいとされているため、十分な注意が必要です。日本では厳しい残暑が予想されているため、引き続き炎天下や高温多湿での激しい運動は避けてください。そして、体調の異変を感じたらすぐに助けを求めるよう、子どもたちに繰り返し呼びかけましょう。

(Hint-Pot編集部)