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換気のときもエアコンは“つけっぱなし”に プロが伝授する効率的な換気方法とは
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コロナ禍で換気への意識は高まりましたが、猛暑で部屋を閉め切ってエアコンで室温を保つのを優先した人も多いはず。まだ残暑は厳しいものの朝晩は秋の気配が感じられ、吹き抜ける風が心地良い気候になってきました。積極的に窓を開けたくなるこれからの季節、換気についての素朴な疑問の数々を、ダイキン工業株式会社コーポレートコミュニケーション室の森重雄己さんに伺いました。
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理想的な換気は、どれくらいの頻度ですれば良い?
――普段、なにげなくしている換気ですが、改めて換気の基本について教えてください。
「換気とは、部屋の中の空気と外の空気を入れ換えることで、部屋の空気中にある汚染物質を部屋の中から外へ出したり薄めたりすることです。住宅での換気は、24時間換気システムを使ったり、窓を開けたりすることが一般的ですね。
2003年7月以降に建てられた戸建住宅やマンションには、24時間換気システムが設置されています。24時間換気システムは、室内の空気を2時間に1回入れ替えられる設備です。こうした設備があるご家庭では、この24時間換気システムを正しく使うことが換気の基本になります。24時間換気を使いながらより効果的な換気をしたい場合は、窓開け換気も効果的です」
――窓開け換気をする頻度は、どれくらいが良いのでしょうか?
「窓や部屋の大きさのほか、室内に浮遊している汚染物質の種類にもよるので一概には言えませんが、目安は1時間に5~10分程度といわれています。また、1時間に10分の換気を1回するよりも、1時間に5分の換気を2回するほうが換気の効果は高くなるでしょう。できるだけこまめに、回数を多く換気をすると効果的です」
エアコンをつけたままの換気は電気代が気になる どうするのがお得?
――猛暑でエアコンを朝から晩まで稼働させている家庭も多いと思います。換気時につけたり消したりすると電気代が気になりますが、“つけっぱなし”にするのとどちらがお得ですか?
「夏場の窓開け換気時による、エアコンの消費電力量の変化について、ダイキンで実験を行いました。真夏の日中、朝7時~夜7時までの時間帯で30分に1回、5分間の窓開け換気を実施。換気時にエアコンの電源を小まめにオン・オフ(換気時に電源オフ/換気後に電源オン)した場合と、エアコンを“つけっぱなし”にした場合の消費電力量を調査しました。
その結果、日中に換気をするたびエアコンの電源をオフにするよりも“つけっぱなし”にしたほうが、電気代が1日で約45.7円(1か月換算で約1371円)低く、室温の上昇も抑えられました。夏場に定期的な窓開け換気をする場合、エアコンは“つけっぱなし”にしておくのがおすすめです」
――エアコンを稼働させたままで、十分な換気をするコツや注意点はありますか?
「できるだけエアコンの室内機から離れた窓を開けるようにしてください。夏場、窓から入ってくる温度の高い空気をエアコンが直接吸い込むと負荷がかかり、電気代が上がる原因になるんです。また、温度が高く湿った空気を急激に冷やすと結露が発生しますが、こうした結露がエアコンの吹き出し口などに発生するのを防ぐことにもなります」