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ゴミ屋敷問題はなぜ発生? 役所勤務の1016人が回答した現実 対処不可能のケースとは
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ニュースなどで目にする「ゴミ屋敷問題」。家の中にゴミが山積し、近隣住民からの苦情といったご近所トラブルに発展することが多いようです。とはいえ、身近で起こらない限り、近隣住民の苦労を理解するのはなかなか難しいもの。そこで今回は、実際の苦情受け付けや対応を求められる“役所”の人たちを対象にしたアンケート調査をご紹介します。その結果からは、行政側の対応にもある種の限界があることなどが読み取れるようです。
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ゴミ屋敷問題を抱えている人と抱えやすい人は?
「関西クリーンサービス」を運営するA-LIFE株式会社は2021年12月、「ゴミ問題の実態」に関する調査を実施しました。対象は役所に勤務している1016人です。
まず、ゴミ屋敷問題で相談に来る人について尋ねる設問(上位3つを複数回答)では、「近隣住民」(50.4%)が1位に。次いで「大家・管理会社の方」(16.1%)、「居住者本人」(13.7%)、「居住者の家族」(11.2%)が続きました。それでは、そうした人たちが相談に訪れた具体的なきっかけは何だったのでしょうか?
【居住者本人や身内、知人が相談に訪れたきっかけ】
1位「近隣トラブル」56.4%
2位「臭い・害虫・害獣被害」45.3%
3位「家族に指摘されたから」36.2%
【近隣住民や大家、管理会社が相談に訪れたきっかけ】
1位「近隣トラブル」68.8%
2位「臭い・害虫・害獣被害」67.3%
3位「建物や設備の修繕のため」20.0%
ゴミ屋敷問題はやはり、近隣の存在や介入によって、解決に向けた何らかの動きが発生するようです。では、“当事者”にはどのような傾向があるのでしょうか?
【ゴミ屋敷問題を抱えている人に多い年齢層】
1位「70代以上」(45.7%)
2位「60代」(22.8%)
3位「50代」(16.6%)
【ゴミ問題を抱えやすい人の特徴】
1位「一人暮らしをされている方」(57.1%)
2位「物を捨てるのが苦手な方」(28.0%)
3位「定職に就かれていない方」(23.0%)
以上を統合すると「70代以上」で「一人暮らし」の人が家をゴミ屋敷にしてしまい、「近隣住民」が「近隣トラブル」として役所へ相談するという流れが見えます。日本の超高齢社会では、これからも発生しやすい状況だといえるでしょう。