ライフスタイル
絶対に許せない? 自宅トイレで立つ男性に憤る女性も 2000人調査からみる男女の本音
公開日: / 更新日:
衛生的に推奨されるスタイルはどっち? 広範囲に汚れも
立つか座るかによって、衛生面ではどのような違いがあるのでしょうか。さまざまな実験や研究から、汚れを最小限に抑えるトイレ商品を担当しているパナソニック ハウジングソリューションズの坂本剛さんは、「衛生的に推奨されるのは座ってするほうです。商品的な配慮がない場合は、立ってすると飛び跳ねる量が多く、汚れも広範囲になります」との見方を示しました。
立ってする場合は個室内も汚す可能性があると指摘します。「まず便器のボウル面と周辺ですね。それと床。場合によっては壁まで飛ぶこともあります」。尿の跳ね方は男性の身長によっても変わるといい、「我々も研究をしているのですが、やはり勢いというのも一つの重要な要素になります。勢いが同じであれば、身長が高い人のほうが位置エネルギーも大きくなるので、多く飛び散る可能性があります」と続けました。
一方、座るスタイルが万全かというと、そうとも限りません。「座るときの飛び散りで多いのはボウルの内側です。場合によっては前方に飛び出ます」。アンケートの回答にもありましたが、うまくコントロールできなければ、漏れ出した尿がトイレの表面を伝って床まで到達してしまうことも。「便器の縁についたら取れにくくなり、頑固な汚れに変わります」。これは立ちスタイルでも注意が必要で、「最後のきれの部分で、同じようになってしまう可能性はあります」。尿を出し終わる最後の最後まで、油断しないように心がけたいですね。
同社では2004年からトイレに対する意識・使用実態の全国調査を行っています。自宅でトイレに「座る」男性は、2015年に「立つ」を逆転し、2021年には全体の7割近くを占めています。また、小であっても4割の男性が自宅ではトイレットペーパーを使用するなど、エチケットの向上が見て取れる結果になりました。
トイレを汚さないために気をつけたいこと キーワードは「中心」
どちらのスタイルでも、なるべくトイレは汚したくないものです。汚れを飛散させないようにするための工夫も伺いました。
「立ってする場合は水の溜まっている中心を狙いましょう。水面のセンターに落とすと、飛び散りにくいです」と坂本さん。
また、忘れてはならないこともあります。「ふたを閉めないで流すと細かい水滴、エアロゾルがもやーっと便器から出ていますので、それを飛散させないために閉めて流したほうがいいです。便器の上、1~2メートルほど上がっているという文献の情報もあります。霧というか本当に細かいものなので、飛び散るというよりは漂うみたいな感じです」。
立つ、座るで健康面への影響は? 残尿感に違いが出る男性も
一方で、健康面での違いはあるのでしょうか。今回のアンケートでは、男性の間で、残尿感について「座ったほうが残尿が少ない」「立つ姿勢で用を足さないと尿をすべて出すことが難しい」と異なる意見が上がりました。
これについて東京国際大堀病院 泌尿器科の村山慎一郎医師は、「排尿に関して健康面での違いや影響はありません。立位、座位ではぼうこうの形状が多少変わるので、それに伴い、残尿感は変わってくると思います。個人差もあると思います」と話しました。
姿勢の変化により、ぼうこうが圧迫されると感じる人がいても、「それに伴う健康面への影響はないと思います」と指摘します。
「前立腺肥大症ですと通常の方と比べ、排尿に時間がかかるので後ろに人が並んだ場合は背後の人を待たせてはいけないなどの心理が働き、余計に時間がかかったり、排尿後の残尿感も増したりすると思われるので、そのような方は座位(個室)を選んだほうがいいと思います」と特定の条件下に対してのみ、座るスタイルを推奨しました。
※この記事は、「Hint-Pot」とYahoo!ニュースによる共同連携企画です。
(Hint-Pot編集部/クロスメディアチーム・水沼 一夫)