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シイタケをおいしく食べるポイントは「かさ」 選び方や調理のコツを栄養士が解説
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教えてくれた人:和漢 歩実
シイタケの栽培には原木栽培と菌床栽培があります。近年は、おがくずなどを用いて人工的に育てられた菌床栽培のものが主流ですが、春と秋には天然の原木栽培のものが多く出回るだけに、秋の味覚を楽しみたいですね。生シイタケの選び方やおいしく食べるためのポイントなどを、栄養士で元家庭科教諭の和漢歩実さんに伺いました。
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おいしい生シイタケの選び方 扱うときは「かさを下に」
おいしいシイタケを選ぶ際に見るべきポイントは、かさです。ふっくらと丸く、厚みがあってフチが開いていない、内側に巻いているものが良いでしょう。色はムラのない薄茶色、裏側のひだは白くきれいなものが良品といわれています。軸は、太くて短いものがおすすめです。パック入りで売られているときは、水滴がついていないものを選びましょう。濡れたシイタケは傷みやすいです。
シイタケは、基本的にかさを下に、軸を上にして扱います。かさを上に向けると、かさの裏側のひだから胞子が落ちて、しぼみやすくなります。乾燥を嫌うので、購入したらキッチンペーパーで包んで保存袋に入れ、かさを下に、軸を上にして冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。
ただし、シイタケは鮮度が落ちやすく、あまり日持ちがしません。冷蔵保存しても数日でかさがしぼみ、色も黒ずんできます。できるだけ早く食べ切るか、すぐに食べない場合は軸部分をカットし、かさをそのまま冷凍用保存袋に入れて保存しましょう。かさは冷凍状態でも切れるので、調理の際に好みの大きさにカットします。
おいしく食べるために シイタケの下ごしらえや調理のコツ
調理前の下ごしらえとして、シイタケについた汚れやホコリを乾いた布巾やキッチンペーパーで取り除きます。それでも気になる場合は、固く絞った布巾や湿ったキッチンペーパーで拭き取ると良いでしょう。水で洗うと風味が落ちますが、汚れなどが気になる場合は水で洗い流してかまいません。
もし時間的な余裕がある場合は、完全に乾燥させなくとも、シイタケをザルに並べて30分ほど日光に当ててから調理しましょう。香りやうま味成分、ビタミンDなどの栄養価がアップします。
肉厚のシイタケが手に入ったら、ぜひ丸ごと焼いて楽しみましょう。歯ごたえがあり、シイタケの風味が楽しめるのでおすすめです。フライパンでシイタケを丸ごと焼く場合は、かさの表側だけ焼くのもおいしく食べるポイントです。ひっくり返して裏側のひだのほうまで焼くと、食感が悪くなります。
生焼けを避けるために、かさを下にしてシイタケをフライパンに並べたら、フタをして加熱しましょう。そうすることで中までしっかりと火が通ります。生のシイタケはアレルギーや食中毒の症状を起こすことがあるため、必ず内部まで火を通すことが必要です。
鍋や煮物の具材にしてもおいしいですが、シイタケは調理の最初から入れるよりも、最後のほうに入れると風味を楽しめますよ。
(Hint-Pot編集部)
和漢 歩実(わかん・ゆみ)
栄養士、家庭科教諭、栄養薬膳士。公立高校の教諭として27年間、教壇に立つ。現在はフリーの立場で講師として食品学などを教える。現代栄養と古来の薬膳の知恵を取り入れた健やかな食生活を提唱。食を通して笑顔になる人を増やす活動に力を注いでいる。
ブログ:和漢歩実のおいしい栄養塾