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東京都医師会、コロナ経口薬の来年3月までの公費負担延長を提言 患者に「かなりの負担になる」
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東京都医師会は12日、都内で開いた定例記者会見で新型コロナウイルス経口薬について、少なくとも来年3月までの公費負担延長を提言しました。
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東京都医師会、秋~冬の感染者増を警戒
現在、ゾコーバなど3種類のコロナ経口薬は全額公費で賄われています。政府は10月以降、患者に自己負担を求める方向で調整しており、公的負担を見直す考えです。
冒頭のあいさつで、尾崎治夫会長は、「この冬は第9波が収まった後、もっと感染者が多く出る第10波が来る予測もある。この冬を乗り切るまでは引き続き、公費負担をお願いできればと考えている」との見方を示しました。
厚生労働省の調整案では、3割負担で最大9000円、2割負担で最大6000円、1割負担で最大3000円の自己負担となる見込みです。
鳥居明理事は「10月1日から公費で負担されない可能性がある。みなさん病気になると、1000円札1枚、2枚で済むのが現状。かなりの負担になる」と指摘。「新型コロナウイルス治療薬の全額公費負担延長を提言したい。医療現場の混乱を避けるためにもぜひ必要。少なくとも来年3月までは」と続けました。
背景には感染者の高まりがあります。都医師会では、定点報告数などから、感染力の強い変異株EG.5(通称「エリス」)の流行などで、東京で毎日1万5000人程度の感染者が出ていると推測。
尾崎会長は、「5類になったことで、コロナに関するニュース、情報は激減しています。コロナがはやっていないという認識を持っている人も一定数いる。5類移行以前は、症状が出ると、コロナかもしれないと医療機関にかかっていた。今はそのまま風邪だろうなと医療機関にかからず、検査も受けないで過ごされている方もいる。実際はもっと多い数が出ている可能性がある」と危機感を募らせました。
病院に行かない、“隠れ感染者”が増え、人ごみの中にウイルスがまん延してしまうことを危惧します。
「コロナに関しては集団免疫を目指す考えは難しいというのが今の現状。後遺症で悩む方も結構おられる。コロナウイルスにかからないにこしたことはない。まだまだコロナと人類の闘いは続く。もう5類だからなくなっている、あるいは考えなくていいということではない。改めてコロナにどう立ち向かえばいいか考えていただければ」と訴え、ワクチンの接種を呼びかけました。
(Hint-Pot編集部/クロスメディアチーム)