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除菌用アルコールスプレーで掃除 家具が傷む可能性も NG使用法をプロが解説

公開日:  /  更新日:

著者:和栗 恵

教えてくれた人:伊藤 まき

アルコールスプレーの使用時は目立たない場所で確認を(写真はイメージ)【写真:写真AC】
アルコールスプレーの使用時は目立たない場所で確認を(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 コロナ禍で必需品の仲間入りをした各種の除菌アイテム。スプレー式やウェットティッシュ式、アルコール使用と不使用など、さまざまな商品が流通しています。普段のお掃除にも使っているから除菌対策は万全……と思いたいところですが、実は使用NGな組み合わせもあるようです。掃除のプロでもある整理収納アドバイザーの伊藤まきさんが、プロの視点でお掃除の“NG”をレクチャーするこの連載。今回のテーマは「除菌用アルコールスプレー」です。使う場所によっては思いがけないトラブルが発生するかもしれません。

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家具が台無しになる可能性も…アルコール除菌スプレーは取り扱い注意

 お店の前や公共の場で今や必ず設置されている手指用の除菌アイテム。中でもアルコールを使ったものがポピュラーですよね。玄関先に置いているというご家庭は多いでしょうが、伊藤さんによるとお掃除に用いる際は注意が必要だそうです。

「アルコールの濃度によって、机や椅子など家具の表面が白くなってしまったり、ニスやラッカーにヒビが入ってしまうことがあります。また、ペイント塗料や接着剤が溶けてしまうことも。汚れを防ぐためにフッ素加工された壁紙もありますが、そうした特殊なコーティングをはがしてしまうこともあるので、必ず目立たない場所で確認してから使ってください」

 家具の素材や塗装には多くの種類があり、アルコールに対する耐性もそれぞれ異なります。「これなら大丈夫」と素人目では判断しづらく、またアルコール濃度によっても反応が異なるため、まずはテストすることが前提です。

「また、家庭で使う万能洗剤も、向いているもの・向いていないものをきちんと把握して使用しましょう。例えば弱アルカリ性洗剤の場合、同じ弱アルカリ性の石けんカスや水アカ、アンモニア、鍋の黒ずみといった汚れはきれいに落とせません。

 ウール製品や革製品、金属製品など、酸素の成分が反応してしまう素材にも使用できないので、何にでも使ってしまうと汚れが落ちないばかりか、被害を広げてしまう可能性もあります」

 弱アルカリ性洗剤が効果を発揮するのは、茶渋や汗ジミなど酸性の汚れだそうです。逆に酸性洗剤はアルカリ性の汚れを落とすことができます。アルコール除菌スプレーも各種の洗剤も“相性”が大切だと覚えておきましょう。

(和栗 恵)

伊藤 まき(いとう・まき)

整理収納アドバイザー1級、クリンネスト2級。ホテル清掃員や国鉄系レストランの厨房、内装会社、デパートの搬入搬出などで経験を積み、出版社に入社したのち独立。掃除しながら片づける「整理収納のプロフェッショナル」として各種ウェブメディアで記事を手がけ、掃除本の編集ライターとしても活躍中。
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