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ハワイの山火事から3週間後の奇跡 元の自宅近くで保護された甘えん坊猫 家族と感動の再会が話題

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

ハワイ・マウイ島での動物救助。キャットフードが置かれた奥の茂みに猫の姿が【写真:Getty Images】
ハワイ・マウイ島での動物救助。キャットフードが置かれた奥の茂みに猫の姿が【写真:Getty Images】

 100人以上の犠牲者が出た米ハワイ・マウイ島での大規模な山火事。復興までの道のりは長いものになりそうですが、ある明るいニュースが人々を笑顔にしています。火災発生から3週間が経過した8月29日、甘えん坊な茶トラ猫が保護されました。よく調べてみると、マイクロチップが埋め込まれており飼い主が判明。奇跡の再会に感謝と祝福の声が上がっています。

 ◇ ◇ ◇

過酷な状況のなか救助を続ける動物愛護団体

 火災により焼け出された多くの動物を救助・治療しているマウイ動物愛護協会が、公式フェイスブックで心温まるニュースを報告しました。そこには、満面の笑顔を浮かべた女性に抱っこされる茶トラ猫が写っています。猫の名前は「フィン」。8月8日発生した山火事が原因で、飼い主のダニエラ・フランコさんとそのパートナーのボンさんと離ればなれになっていました。

 ダニエラさんとボンさんの自宅は、山火事により全焼。ふたりが住んでいた地域は、ほとんど何も残らないほど焼き尽くされていたそうです。火事からまもなく、混乱が続くなかで3つの動物愛護団体が動物たちのレスキューを開始しました。そのうちの1つ、グレーター・グッド・チャリティーズの現場運営担当副社長、ローラ・リトルベアさんは米誌「ピープル」に対し、救助がいかに過酷な状況であったかを語っています。

「その地域は完全に失われました。私たちの目標は、食べ物や水などの資源にアクセスできない被災地で、猫や犬を捕獲すること。私たちは100匹以上の猫を捕獲しましたが、その多くはやけどを負っていたり、けがをしていたり、極度の脱水症状や飢餓状態に陥っていました。私たちはまた、死んでしまった動物たち(のマイクロチップ)をスキャンし、現場から搬送する仕事も任されています」

元の自宅から4軒先で保護されたフィン

 救助を続けていた現地時間8月29日、同団体が救助した猫のなかに、野良猫にしては社交的すぎるほど人懐っこくおしゃべりな猫を発見。それがフィンでした。フィンは身元を調べるため、マイクロチップをスキャンできるマウイ動物愛護協会へ。そこで、ダニエラさんの愛猫であることがわかったのです。

 フィンが保護された場所は、ダニエラさんの自宅が建っていた場所から4軒先だったそう。フィンは、ダニエラさんたちが迎えに来てくれるのをずっと待っていたのかもしれません。

 フィンが発見されたとの連絡を受けたダニエラさんは、すぐに協会まで迎えに行きました。ダニエラさんはフィンとの再会が「たくさんの喪失感を味わった私たちに、大きな慰めと希望を与えてくれました」と、ピープル誌に対してコメント。フィンはもともと愛情深く、甘えん坊で抱っこが大好きな猫でしたが、今ではさらに甘えん坊になったそうです。

フィンの兄弟猫バリの捜索は続く

 投稿は反響を呼び、「(このようなニュースは)どんどんシェアしてください。火事は心が痛みますが、これは素敵な結末でした」「元気になる救助ストーリーをシェアしてくれてありがとう! 動物とその人間のために素晴らしい仕事を続けてください」「これは今までで最高のストーリーだわ」など、感謝や喜びの声が殺到しています。

 フィンは保護時に少し痩せていましたが、健康な状態で家に戻ることができ、順調に回復しているそう。しかし、ダニエラさんにはもうひとつ気がかりなことがあります。実は、ダニエラさんがはぐれてしまったのは、フィンだけではありませんでした。火災前、フィンの兄弟である「バリ」も一緒に暮らしていましたが、その行方は現在もわかっていません。

 ダニエラさんは、フィンが見つかったことで、きっといつかバリとも再会できることを信じています。

(Hint-Pot編集部)