Hint-Pot | ヒントポット ―くらしがきらめく ヒントのギフト―

話題

「立派な科学者ですね」 校内放送で褒められた自由研究がすごすぎる 12万人が驚き

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

急なテーマ変更に心配がありつつも見守ることに

 子どもの自由研究をどうサポートすべきか、毎年頭を悩ませている親も少なくないでしょう。そこで慈さんに、自由研究が完成するまでの経緯を詳しく伺いました。

Q. 娘さんから自由研究のテーマを聞いたときの気持ちを教えてください。
「天体観測から、急にサーモンの味を探すというテーマへ切り替えたときには、突然のテーマ変更で驚きました。どこまで研究として成り立つのかな? という心配がありましたが、発想がおもしろかったことと、なにより本人がやる気に満ちあふれていたので見守ることにしました」

Q. 何か手伝いましたか?
「画用紙で掲示する予定だというので、一緒に紙を買いに行きました。また、娘は私が仕事へ行っている日中に研究を進めており、材料のほとんどを自分のおこづかいで買い集めていたんです。そのため娘が『お金を使いすぎてしまった』としょんぼりしていたので、慌てて費用を補填してあげました」

「終始、真面目に楽しそうに取り組んでいました」

Q. 研究中の娘さんの様子を教えてください。
「ほかの宿題はすぐに終えて、夏休みの残り半分近くをかけて地道に、実験に取り組んでいました。まずは画用紙に書くと決めたあと、半分くらいは写真で埋める、実験は理科の授業で行った手順を参考にするといった構想を、毎日少しずつ固めては話してくれるなど、無理なくマイペースに取り組んでいたようです。

 また、食材が集まったタイミングで、娘から『一緒に試食をしよう』と提案がありました。自分で食材を切って食卓に並べてくれたのですが、実験の食材だけでお腹がいっぱいになってしまったことで笑い合うなど、終始、真面目に楽しそうに取り組んでいました」

Q. 娘さんが一番こだわっていたことは?
「『普段は、ワサビじょうゆをつけて食べないようなものにチャレンジしたい』と言い、いろんな種類の食材を検討していたことにこだわりを感じました」

Q. 研究中、難しそうにしていたところは?
「『サーモン度』をどう評価するか相談され、『まずかったらマイナスでもいいかもね!』などの意見を出し合って盛り上がりました。また、仮説を立てるのが難しかったようで、最初はサーモンの成分を検索するなど、似ている食べ物を調べていたようです。しかし、最終的には食感を重視して検証すると決め、買い物をしていました。普段はあまり行かないような広いスーパーマーケットまでひとりで足を延ばし、『目当てのものを見つけるため、3時間もさまよってしまった』と神妙な面持ちで報告されたこともあります」

「好きなことには一生懸命取り組み、たくさんの人を笑顔にしてほしい」と願う慈さん

Q. 慈さんが一番「サーモンに近い」と感じた再現方法は?
「サーモン寿司の再現で食べた3種類は、本当に本物のような味わいでした。実験過程でしょっぱかった生ハムは、寿司にする前にわざわざ豆腐に巻いて冷蔵庫で寝かせて塩分を減らす――という下準備までしていました。私も知らなかったのですが、これもやり方を自分で調べたのだそうです。また、フルーツあんみつの寒天を細かく砕いてジュレ状にしていました。その結果、サーモンの油分のような舌触りの良さを感じ、私はこの工程に『よく工夫しているな』と感心したのですが、本人には思い入れがなかったようで、発表では端折っていました(笑)」

 自由な発想と行動力を持った娘さんに、「好きなことには一生懸命取り組み、たくさんの人を笑顔にしてほしい」と願っている慈さん。実はそんな慈さんも、多くの人を楽しませる仕事に携わっているそうです。

 慈さんが運営として尽力した、廃材を利用したアートやワークショップなどを散歩しながら楽しむアートフェス「新木場&夢の島わくわくおさんぽアートフェス2023」が、10月15日(日)まで開催されています。期間中に行われる謎解きクイズラリー「Go-kunの魂拾い~蠅の王と合板の勇者~」は、娘さんもテストプレイに挑戦したそうですよ。

 研究がなかなか進まない場合などは、良かれと思ってついつい口を出してしまいがち。子どもの自主性に任せた慈さんの向き合い方は、とても参考になりますね。

(Hint-Pot編集部)