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「株主優待」でお得に投資を 少額で始められる銘柄とは 売れっ子税理士が解説
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将来のために投資をしてみたいけれど、どんなものを選べばいいかわからない……と感じている人も少なくないでしょう。豊富な実務経験のある税理士でマネージャーナリストの板倉京さんは、投資を始めるきっかけとして、お得な株主優待に注目することをおすすめしています。手取り10万円台でも、豊かな暮らしと老後に備えた貯金の知識をレクチャーするこの連載。第7回では「株主優待」について解説します。
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株主優待から株式投資に興味を持つ人も
株式投資と聞くと「なんだか怖い」「リスクがありそう」と思う人も多いと思います。もちろん、過去回でも紹介した「つみたてNISA」などの「長期・分散・つみたて」投資に比べると、株式投資は、値動きによって投資した金額が一時的に減ってしまう可能性が高いかもしれません。
でも、株主優待(株優)が充実している株を選んで投資しながら「普段使う化粧品や日用品は株優でゲット!」している人や、「旅行券やお食事券をもらって楽しんでいます」という人も。株主優待から投資を始めて、株式投資に興味を持つようになった人もたくさんいます。
手取り10万円台でも、上手にやりくりして投資をすることで、お金を増やしたいところ。投資できるうえに、暮らしに役立つお得なものをゲットできれば一石二鳥ですよね。
というわけで、今回は株主優待についてご紹介していきたいと思います。株主優待とは、企業が自社の株を持っている株主に対して行うプレゼントのこと。もらえるものは自社製品だけなく、お米やギフト券など企業によってさまざまです。
10万円以下でチャレンジできる銘柄とは
私自身は「コメダホールディングス」の株を持っていて、年に2回、コメダ珈琲で使える1000円分の電子マネーをもらっていたり、「ファンケル」で年に1回、6000円分の商品をもらったりしています。好きな会社に投資して毎回プレゼントをもらえるのは、なんだかお得な気がしてうれしいものです。
株主優待狙いで投資をする場合のポイントは2つ。
・欲しいもの、試したいものが優待される
・事業内容が理解できる会社の銘柄を選ぶ
そして、初めての株式投資であれば、少額でチャレンジできる銘柄を選びたいところです。投資額10万円以下でもチャレンジできる銘柄は、けっこうあります。一例を挙げてみましょう。
「日本電信電話(NTT)」
最低投資額1万8120円で、dポイント(2年以上3年未満で1500ポイントなど、保有期間で進呈ポイントは異なります)
「ライドオンクスプレスホールディングス」
最低投資金額10万円で、「銀のさら」「釜寅」「すし上等!」「ファインダイン」で利用できる食事券2500円(新潟県魚沼産コシヒカリ新米2キロと交換可)
「アツギ」
最低投資額4万4200円で、自社オンラインショップ(ストッキングなど)30%割引
※すべて2023年9月23日時点
株主優待が調べられる便利なサイトを活用
とはいえ、株主優待を行っている企業は現在1500社ほどあるといわれていて、どこがどんな優待をしているのか探すのは大変そうですよね。また、株主優待をもらうには、権利確定日(株主優待をもらえる権利が確定する日)に一定数(企業ごとに決められた数以上)の株式を保有している必要があります。
こういった情報を自分で集めるとなると「面倒くさい」と思うかもしれませんが、実はいろいろなサイトで好みの株主優待を探すことができるんです。私がおすすめしているのは、マネックス証券の「株主優待検索」。自分好みの優待商品、最低投資金額など、条件を絞って株主優待銘柄を探すこともでき、ログインしなくても使えるので便利です。
マネックス証券以外にも、SBI証券や楽天証券のサイトなどでも口座を持っている人であれば、株主優待検索が可能。ぜひ、ワクワクする優待株を見つけてみてください。
(板倉 京)
板倉 京(いたくら・みやこ)
1966年10月19日、東京都生まれ。神奈川県内で育ち、成城大学文芸学部マスコミュニケーション学科卒。保険会社勤務後に結婚。29歳で税理士資格試験の受験を決意し、32歳で合格する。36歳での長男出産を経て、38歳で独立。主な得意分野は、相続、税金、不動産、保険。テレビでは「あさイチ」「首都圏ネットワーク」(ともにNHK)、「大下容子ワイド!スクランブル」(テレビ朝日系)、ラジオでは「生島ヒロシのおはよう一直線」(TBSラジオ)などに出演して解説。主な著書は「夫に読ませたくない相続の教科書」(文春新書)、「相続はつらいよ」(光文社知恵の森文庫)、「女性が税理士になって成功する法」(アニモ出版)、「知らないと大損する! 定年前後のお金の正解」(ダイヤモンド社)など多数。