仕事・人生
市原隼人さん、料理好きのきっかけは母 「子どもの頃はキッチンが遊び場でした」 包丁は10本超所有
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俳優の市原隼人さんが主演する新ドラマ「おいしい給食 season3」(テレビ神奈川、TOKYO MX、BS12 トゥエルビ、TVerほか)が10月8日(日)から順次放送されます。市原さんが演じる中学教師・甘利田幸男は、自他ともに認める無類の給食マニア。今回は1988年の北海道・函館の中学校を舞台に、給食のおいしい食べ方を巡り、ライバル役の生徒と激しいバトルを繰り広げます。喜ぶときも、悔しがるときも全力で、無邪気な市原さんの表情は見どころの一つです。市原さんはプライベートでも包丁10本を持つなど料理好きで知られています。作品への思いや料理始めたきっかけを伺いました。
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新ドラマ「おいしい給食 season3」 10月8日から順次スタート
ドラマシリーズ3作目の「おいしい給食 season3」は、名物のイカを始め、ラーメンやハンバーガーなどご当地グルメも豊富な人気タウン・函館編。転勤した甘利田を待っていたのは、個性豊かな生徒や教師たちで、シーズン1&2、劇場版の2作品とは異なる新たなストーリーが展開されます。
甘利田はまっすぐで愚直な教師。それでいて、素直な一面も持ち合わせています。市原さんは、その人柄について、「今、令和の現代の日本に生きていく中で忘れかけているような日本の古き良き心といいますか、わびさびを持ち、人間臭く、本当に必死に生きる。そして子どもに対しては、負けたら『負けました』と言えるすばらしさ。こういう人間になりたいなと僕は思います」と、敬意を込めて語ります。
浮足立った撮影初日 “定番の朝食”食べて向かったが…
見せ場の一つは、給食を食べるシーンです。まずはクラスの生徒と校歌を歌って「いただきます」のあいさつをするのですが、甘利田はコミカルで、エネルギッシュなダンスを繰り広げます。振り付けは毎回異なり、視聴者をくぎ付けにします。
「給食を食べるシーンでは、何度か記憶も飛んでいるんです。甘利田は滑稽ながらも笑われながらも一生懸命、人生を謳歌(おうか)する。そして好きなものを好きと胸を張っている。甘利田の『生きる喜び』というものを皆さまに見ていただきたい、という思いをずっと胸に置き作り上げている作品。芝居でも常に本気で向き合いたいと思っていると、気がついたら意識が飛んで、記憶が飛んで、また本番中に帰ってくる。(その場面が)どこまで使われるか分からないですが、今できる全てを尽くしています」
文字通り、全身全霊を注いだ演技。その熱量は画面の外にまで伝わってきます。
作品への思いは、人一倍強いです。一方で、撮影初日には気持ちの高揚を少しでも落ち着かせるため、普段通りの朝食を食べてから現場に向かったといいます。
「撮影初日にいつも通りご飯と納豆と豆腐と卵を食べて、いつも通りに現場に行くんだって思いながら向かったのですが、浮き足立っていました」
市原さんの朝食は毎回シンプル。もう長い期間、メニューは変わっていないと話します。しかし、そんな盤石のルーティンも、今回ばかりは心の安定につながりませんでした。3シーズン目の幕開けとなる緊張感、責任感、興奮……結果的にさまざまな感情が入り混じり、平常心を保つことができませんでした。
「結局、いつも通りにはならなかったです。どんな思いで初日を迎えていいかが分からなくなってしまって。それほど自分の中でプレッシャーが大きかったんです。(期待に)応えなければならないというのと、応えたい思いが僕自身、強すぎて」
それでも、撮影が終わった現在は、「そんなにうれしい悩みを感じさせていただけたことに、本当に感謝しています」と、貴重な体験だったと受け止めています。