もうすぐハロウィン。さまざまな食材を使い、工夫を凝らしたスイーツ作りに挑戦する人もいるでしょう。ハロウィンを象徴するジャック・オー・ランタンをイメージしながらスイートポテトを作り始めたのに、途中で予定変更。最終的に完成した、ある名作アニメ映画のワンシーンを再現したスイートポテトタルトが、X（ツイッター）上で話題になっています。いったいなぜそうなったのか、投稿者の前川さなえ（@puninpu）さんに詳しいお話を伺いました。

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再現度の高さに「食べるのがもったいない！」の声も

　前川さんは、2人の子どもを育てながら、イラストレーターとしても活躍しています。自身のブログ「ぷにんぷファミリー」では、家族とのにぎやかな日常をかわいらし絵柄で紹介。また、コミックエッセイも手がけ、「5歳だって女。」（KADOKAWA刊）や、「ハンドメイドで楽しい毎日! わるのりてづくり」（二見書房刊）などが人気を博しています。

　そんな前川さんの趣味はお菓子作り。お店で並んでいるような、かわいらしいお菓子の写真がXで公開されることもあります。お菓子作りは独学で始めたそうで、お子さんが生まれてからは「喜んでほしい」という思いから、キャラクターや動物をモチーフにしたお菓子を作るようになりました。

　今回Xで注目を集めたのも、かわいらしいキャラクターをイメージして作ったスイーツです。前川さんは、2001年に公開された宮崎駿監督の名作アニメ映画『千と千尋の神隠し』に登場する“オオトリ様”の入浴シーンを、スイートポテトタルトで再現しました。主人公の千尋が働く「油屋」にやってきた“オオトリ様”たちが薬湯に浸かる様子が目に浮かびます。

　食べるのがもったいないくらい、完成度の高いスイートポテトタルトには12万件に迫る“いいね”が集まりました。リプライ（返信）は、「発想も技術もすごすぎる！」「こ、これは　かわいすぎて食べられませんね」「めっちゃリアル」「レベル高い！　すごい！」「神々しくてとても食べられません」「味もさることながら、ご利益ありそうです！」など、称賛する声であふれています。

完成したタルトに満足しつつ、反省点も

　前川さんのタルトはたくさんの人を驚かせましたが、実は別のものを作る予定だったといいます。

「はじめはハロウィン用に、ジャック・オー・ランタンに見立てた、スイートポテトを敷き詰めたタルトを作るつもりでした。けれど、完成形をイメージしているうちに油屋の“オオトリ様”のシーンが浮かんできて……」

　タルトの上に並んだ“オオトリ様”は、サツマイモのスイートポテトで作られています。浸かっている薬湯はカスタードクリームに抹茶を混ぜたもので、土台のタルトは市販のものを使用。制作時間は全部で1時間半ほどだったそうです。

　よく見ると、“オオトリ様”の表情は一つひとつ違っています。それぞれ個性的な“オオトリ様”は見ているだけで思わず笑顔になってしまいますが、前川さん自身は満足しつつ反省点もあるのだとか。

「“オオトリ様”の成形が難しく、表情もなかなか安定しませんでした。すごくとぼけた顔の子も混じっていたりするんですが、完成してみるとそれもまたかわいいかなと。“オオトリ様”が頭にのせている葉っぱや手ぬぐいの配置など、もうちょっと調整するべきだったとか、一羽くらい湯船に手を添えている子がいても良かったとか、いろいろ気になることはあとから出てくるもので……」

　完成したタルトに厳しい感想を述べた前川さんですが、“オオトリ様”のくちばしはうまくいったようで、「チョコペンで平面的に描く予定だったのが、いい感じに立体的にとがらせられました」と教えてくれました。

（Hint-Pot編集部）