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スキルや知識がなくても始められる「プチ副業」 税理士に聞いたおすすめ3選
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なかなか上がらない賃金、そして止まらない物価高騰でお金が貯まらないと悩んでいる人は少なくないでしょう。節約することも大切ですが、やはり収入を増やすのが一番です。豊富な実務経験がある税理士で、マネージャーナリストの板倉京さんが、手取り10万円台でも豊かな暮らしを送りながら老後に備える貯金術をレクチャーするこの連載。第8回では、コツコツ始めたい「隙間時間に稼げる副業」3選を紹介します。
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副業を始める人が増加 おすすめは?
ひと昔前の副業といえば「会社が終わった後や休日にがっつり働く」といった、時間に融通が利かないと始めるのはなかなか難しいイメージでした。しかし、今は隙間時間を賢く利用して「プチ副業」をする人が増えています。副業をすると、本業の給料以外の収入が得られることはもちろんですが、スキルアップや会社以外での経験、人脈が広がるといったメリットがある場合も。
今回は、特別なスキルや知識がなくても始められる、おすすめのプチ副業を3つご紹介します。
1. フリマアプリを利用
フリマアプリやネットオークションサイトを使って、商品を販売することで収入を得ます。一般的には、家にある不用品や未使用品を販売する人が多いです。実は、フリマで売りたい商品を高く早く売るための工夫は、ビジネスの基本ともいえます。
「適正な価格をつける」「買いたくなるような写真の撮り方を研究する」「商品のコメントを工夫する」など、フリマアプリは単に不用品を売るだけでなく、ビジネスのセンスを磨くこともできるというわけです。
○おすすめのサイトやアプリ
メルカリ、ラクマ
2. アンケート調査・商品モニター
企業からの単純なアンケートに答えたり、モニターとして商品やサービス、アプリなどを実際に体験しアンケートに回答したりすることで報酬を得ます。アンケート調査は、自分ひとりでやるよりも、家族みんなでやればその分稼げると、家族みんなでやっているという人も多いようです。アンケートで稼げる金額は“おこづかいレベル”といえますが、「座談会形式のアンケート(リアルやオンライン)」などは、1回数千円~と報酬金額が高い案件もあるようです。
スマートフォン一台あれば、隙間時間にできる手軽さはもちろんですが、まだ市場に出ていない新商品やサービスの開発・改善の過程を見られるのはうれしい経験ですよね。また、座談会などに参加すれば、企業の担当者や出席者などいろいろな人の意見も聞けて、知見が広がるというメリットも! サイトによっては「ユーザーレベル(ランク)」というユーザーを評価する仕組みがあり、ランクの高いユーザーには条件の良いアンケートを紹介してくれることもあるようなので、実績を積むことでレベルアップも図れます。
○おすすめのアプリやサイト
マクロミル、楽天インサイト、インフォキュー
3. 覆面調査
依頼された店を普通のお客さんとして利用し、指定された調査項目に基づいて調査を行います。たとえば、飲食店の調査の場合なら、接客は良かったか(あいさつ・メニューの説明・料理を出すタイミングなど)、店内は清潔か(床・壁・テーブル・トイレなど)、料理の評価(盛りつけ・味など)などを行います。
外食や買い物をしたときや、いろいろなサービスを受けたときに「あ~もっとこうだったら良いのにな」と思うことがありますよね。そういった情報を企業に届けて報酬をもらうのが覆面調査員です。自分の意見が企業やお店に届くのは、やりがいのある仕事ですし、逆に「自分の仕事は、覆面調査員がいたらどう評価されるだろうか」と他者目線で自分を見直すきっかけにすることもできます。
謝礼金は店舗によってことなり、飲食代が半額になる、美容院でのカット代が割安になるなど、利用料の50~100%を現金やポイントで還元するというパターンが多いです。そのため、お金を稼ぐよりも節約を目的に利用すると良いかもしれません。
○おすすめアプリやサイト
ファンくる、ミステリーショッピングリサーチ
プチ副業で稼げる金額は、内容やかける作業時間によって異なりますが、月に数千円~数万円が一般的な相場です。簡単な副業ほど単価が低く、最初は労力とかかる時間を考えると割に合わないと思うこともあるかもしれません。一方で、高収入を謳う副業には高いリスクがある可能性も!
どんなことも、まずは最初の一歩を踏み出すことが大事です。最初から焦って高収入を狙わずに、小さく始めて徐々にできることを増やしていきましょう。副業をすることでスキルアップしながら、本業にも良い効果が表れれば一石二鳥ですよね。
(板倉 京)
板倉 京(いたくら・みやこ)
1966年10月19日、東京都生まれ。神奈川県内で育ち、成城大学文芸学部マスコミュニケーション学科卒。保険会社勤務後に結婚。29歳で税理士資格試験の受験を決意し、32歳で合格する。36歳での長男出産を経て、38歳で独立。主な得意分野は、相続、税金、不動産、保険。テレビでは「あさイチ」「首都圏ネットワーク」(ともにNHK)、「大下容子ワイド!スクランブル」(テレビ朝日系)、ラジオでは「生島ヒロシのおはよう一直線」(TBSラジオ)などに出演して解説。主な著書は「夫に読ませたくない相続の教科書」(文春新書)、「相続はつらいよ」(光文社知恵の森文庫)、「女性が税理士になって成功する法」(アニモ出版)、「知らないと大損する! 定年前後のお金の正解」(ダイヤモンド社)など多数。