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子どもがインフル、会社に連絡したら「一人で寝かせてこれないの?」 上司の言葉にがく然 「驚きしかありません」
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インフルエンザで高熱を出した子どもの看病のために急きょ職場に休みの連絡を入れたら、上司から返ってきた言葉は「子供一人で寝かせてこれないの?」――。あるママの過去の体験談が反響を呼びました。今年はもうすでにインフル流行が拡大。子育て世代にとって、混み合う医療機関への受診に難儀するだけでなく、仕事や休暇のスケジュール調整を含めて頭の痛い問題になっています。従業員のワークライフバランスを確保するべき企業のあり方も問われています。SNSで思いを発信した投稿者に話をうかがいました。
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「何かあっても会社は責任をもってはくれない」 改めて求められる企業のフォロー体制
「『は? ふざけてんの? 子供一人で寝かせてこれないの?』
当時息子は小学1年生。流行りに流行ったインフルエンザにかかってしまい、当日お休み希望の連絡をいれたときの上司の返答がこうだった」
自身のつらい体験をX(ツイッター)につづったのは、こじとみ(@mojitonton)さんです。「ストーカー被害、メンタルダウンなどを経験し、たくさんの方に支えられて復活した、主婦ときどき歌手です」と自己紹介を教えてくれました。
8年前の出来事。夫は当時、平日はほぼ出張で家を空けることが多く、互いの実家は遠方のため、「職場に連絡を入れ、泣く泣くお休みするしかありませんでした」と言います。
大好きな仕事でしたが、職場まではドア・ツー・ドアで1時間かかります。心苦しく感じる中でも、「それでもやはり息子の方が大事」。幼い子どもを一人寝かせて職場に向かうことは「想像することができなかった」と振り返ります。
こじとみさんはその後、ある決断をします。投稿で、「わたしが甘いだけなのかもしれないけれど、万が一わたしが子供を置いて出勤したとして、何かあっても会社は責任をもってはくれない…。そう思ったらもう答えは一つしかなかった。そして私は、その会社を退職した」と明かしました。「でも、息子の件はほんのきっかけでしかなく。日頃からの暴言に嫌気がさしていた。些細なことが引き金となって、誰かの未来を変えてしまうことがある。ならばわたしは明るく変えていきたい」と記しています。
さらに、悩んだうえでの投稿意図であることも説明。「そもそも、インフルエンザにかかるほうが…という考え方もわからなくはないし、管理不足なのかもしれない。ですが、予測不可能なことってあると思うんですよね。状況や環境によっては、子供の病気で休めないこともあることと思います。子供を守るとは? をどんなことなのか…と思いポストしました」とつづりました。
複数に分けられた投稿は1万2000件以上の“いいね”を集めて話題を呼びました。「子どもが病気の時に『寝かせて行く』なんてことは出来ないよね。本当に分かってない」「上司の返答はありえないです」「私もありました。子供が熱で園から呼び出しがあったのに帰してくれない職場」「ほんと辛いですよね」「これが現実ですよね」といった共感の声が多く寄せられました。
「休みづらさや、休み明けの肩身の狭さが軽減されるような体制作りを」
今回のこじとみさんのケースでは、子どもの病気で親が仕事を休むことについて、職場の無理解があったのではないでしょうか。「そもそも、高熱の子どもを置いて…という概念がなかったので、驚きしかありませんでした。その上司(女性)は、『自分はそうしてきた』ということがあったからこそ、その発言に至ったようです。しかし、その方は自宅から職場まで自転車で数分の距離だったとのこと。置かれた境遇も違いますし、何かあったらどう責任取るのだろうという思いでした」とこじとみさん。従業員それぞれの事情に配慮することの大切さが改めて示されたと言えます。
子どもの病気の罹患(りかん)は予測できないことが大半です。悩めるママさんは多いでしょう。企業の従業員へのフォローは、より一層重要になってきます。
こじとみさんはインフルエンザや新型コロナウイルスに関する対応として、「従業員だけでなくその家族までを一つの単位として見る必要があるのではないかと思います。保菌していて発症していないだけという可能性も加味し、パンデミック防止のための措置が必要だと考えます。それに伴い、休みづらさや、休み明けの肩身の狭さが軽減されるような体制作りを、ぜひとも企業様にはご検討いただきたいと思いますし、それを導入することで、従業員満足度も上がり、会社の業績アップにつながるのではないかと思います」と話しています。
こじとみさんのX(ツイッター):@mojitonton
こじとみさんのリットリンク
(Hint-Pot編集部/クロスメディアチーム)