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“インフルエンザ・ハラスメント” 女性の5%は無理に職場へ 嫌味を言われることも「このままずっと休むか?」
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昨年インフルエンザに罹患したのは全体の1割強
厚生労働省は15日、インフルエンザが全国的な流行期に入ったと発表。例年よりも早いシーズン入りとなった。養命酒製造株式会社が、全国の20歳~59歳の男女のビジネスパーソン1000人を対象に「風邪・インフルエンザ予防」の実態を調査。驚きの結果が明らかとなった。
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昨年の冬も大流行したインフルエンザ。昨年は何回インフルエンザにかかったかを調査したところ、「0回」と回答したのは87.8%と、全体の9割はインフルエンザにかかることなくひと冬を越せたのに対し、「1回」は11.5%、「2回」は0.7%となり、全体の約12.2%がインフルエンザに罹患したことが分かった。
さらに年代別で罹患した割合を見てみると、その割合が最も高かったのは、意外にも20代女性で19.2%となった。同様に昨年、風邪を何回ひいたかという質問でも、1回以上かかった人数が最も多かったのは、20代の女性だった。逆にインフルエンザにかかった人の割合が少なかった世代は、男性では40代、女性では50代となっている。
完治前に出勤をした人は全体の2割に!
インフルエンザを罹患してしまった場合、一般的には出勤停止措置がとられる。そうなると発症後5日を経過し、解熱後2日経つまでは出勤できないことになるが、実際のところ、完治と認められる状態になる前に仕事復帰した人はどのくらいいたのだろうか。
昨年の冬、インフルエンザに罹患した122人の出勤状況を調査したところ、「完全に治ってから出勤した」のは77.9%となった一方で、「完全に治る前に出勤した」は18.9%、「休まず出勤した」は3.3%となった。つまり、完治前に出勤した人が22.1%にものぼっている。また、男女別にみると、「休まず出勤した」と回答した人の割合は、男性が1.6%、女性が5.1%と、女性のほうが高いことがわかった。
では、なぜ出勤停止であるはずのインフルエンザに罹患しながらも出勤してしまう人がいるのか。その理由に、“インフルエンザ・ハラスメント”が一部あるようだ。“インフルエンザ・ハラスメント”とは、インフルエンザにかかったことを理由に受ける嫌がらせのことである。
「仮病じゃないの?」 心ない言葉を浴びせられることも
全体に“インフルエンザ・ハラスメント”を、職場で受けたことがあるか聞いたところ、「受けたことがある」と答えたのは3.7%とごく少数ではあったが、具体的には「休ませてもらえなかった」(20代女性)、「インフルエンザと認めてもらえなかった」(50代男性)など、出勤を強要されたという声が挙がった。
また、出勤停止になったことで嫌味を言われたといった例もある。「仮病じゃないの?」(40代男性)、「なんだったらこのままずっと休むか?」(40代男性)といった、弱った身体に追い打ちをかけるようなハラスメント発言をされたことがあるという回答がみられた。
年齢にかかわらず発症し、強い感染力を持つインフルエンザ。まずは罹患しないよう、予防接種やマスクの着用、手洗い・うがいの習慣を身に着けるなど予防を徹底。また、インフルエンザに罹患してしまった場合には、無理をせず十分な水分と栄養を補給し、すみやかに近くの医療機関を受診が鉄則だ。インフルエンザは、重症化すると「インフルエンザ脳症」や「肺炎」といった合併症を引き起こすこともある。周囲への感染リスクを考え、必ず休養するようにしたい。
(Hint-Pot編集部)