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「富士そば」、幻のメニュー公開にネット騒然 「美味しそう」「販売はいつ」 お蔵入りになった意外な理由も明らかに

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著者:Hint-Pot編集部/クロスメディアチーム

富士そば【写真:Hint-Pot編集部】
富士そば【写真:Hint-Pot編集部】

 立ち食いそば店「名代富士そば」の公式Xアカウントが特大のコロッケそばを公開して話題になっています。通常の4倍以上、300グラムのコロッケがドーンと載ったそばはボリューム満点。一方で、担当者によると、商品化は見送られた経緯があると言います。お蔵入りになったワケとは? 詳しく伺いました。

 ◇ ◇ ◇

「大き過ぎたのでボツメニューとして、お蔵入り」

「突然ですがコロッケそばをこよなく愛する中の人は、スタッフも驚く300gのコロッケを作ったことがあります」

 15日、富士そばがXに投稿すると、店舗では見たこともないサイズのコロッケに驚く人が続出。「もはや、そばがトッピング」「デカすぎ」「これは『コロッケそば』じゃなくて、『そばコロッケ』」「小判のような大きさのコロッケで美味しそう」など多くの声が上がりました。

 このコロッケそばはどのような経緯で作られたのでしょうか。

 富士そばを展開するダイタン商事株式会社に問い合わせると、担当者から次のように説明がありました。

「大きいコロッケそばの販売を考えた際にサンプルとして取り寄せた内のひとつです。画像のコロッケは300グラムの重さでかなり、重量感がありました。通常のコロッケは70グラムなので4倍以上の重さです。大き過ぎたのでボツメニューとして、お蔵入りになっています。確か、ゆで太郎システム株式会社の池社長にも、試食してもらったと思います。この企画は最終的に『大きいカレーそば(冷し)』になり、150グラムの特注品に決定しました」

 残念ながら、新商品ではなく、過去の試作品でした。

 それにしても、お蔵入りになった大き過ぎるという理由が気になります。

 これについて、当時試食している担当者は、「コロッケを食べた感が強く、少しつらいほどの感覚でした。このコロッケを食べたら、一生懸命にオススメしている『コロッケそば』が嫌いになってしまう方が増える気がしたので、販売を止めた記憶がございます。一度食べたら、『しばらくコロッケそばを食べなくていいや!』という、気持ちにさせてしまうことがとても怖かったです。週に何度もコロッケそばを食べて欲しい! という邪念や、策略的な意図もありました。ごめんなさい。。。」と、回顧。コロッケの存在が大き過ぎるあまり、通常のコロッケそばへの影響を危惧しての決断だったと明かしました。

 今回の投稿を受け、「すみません販売はいつからですか?」「(特大コロッケを)トッピングに入れて欲しいです」との要望も上がっています。

 しかし、「この300グラムのコロッケを食べて『絶対にコロッケそばを愛し続ける』と、言ってくださるとの確約があれば、商品化を計りたいです。ほとんどの方が『もう、コロッケは食べたくない』という気がしてならないことが、本当に難しいです」と、苦渋の答え。実際に、「コロッケだけで満腹になること確実です」との意見もあり、需要を慎重に見極める方針を示しました。

 関東を中心に110店舗を展開する富士そばの中で、コロッケそばは看板メニューの一つ。同社の古参社員は、「創業時(1972年)にはあったはず」と、話しているそうです。50年以上の歴史があったとは驚きですね。担当者も「関東の立ち食いそば店の魅力のひとつです。富士そばに限らず、素朴でホッと温まるコロッケそば、優しい雰囲気が最高にすてきです」と、力を込めました。

コロッケそばの始祖は誰? 「半世紀前の資料がないミステリー」

300グラムのコロッケが載る【写真:X(@fujisobar)より】
300グラムのコロッケが載る【写真:X(@fujisobar)より】

 ちなみにコロッケそばの起源については諸説あるそう。

「立ち食いそば界では、箱根そばさんの記録が一番古く、箱根そばさんが最初ではないか? という説が有力です。その他に関西発祥説があります。いずれにしても、半世紀前の資料がないミステリーになります」

 秋が深まり、寒さが増しつつある今日このごろ。そんなときは、衣につゆをしみ込ませたコロッケそばをじっくりと堪能するのもいいですね。

(Hint-Pot編集部/クロスメディアチーム)