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リンゴの“賞味期限”はいつまで? 長持ちする保存法や食べ時を見極めるコツ 栄養士が解説
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教えてくれた人:和漢 歩実
旬はあるものの、店頭に通年並んでいるリンゴ。身近な果物のひとつですが、大量に購入したり、もらったりしてすぐに食べられないとき、いつまで食べられるものなのでしょうか? リンゴの“賞味期限”や保存、見極めのコツなどを、栄養士で元家庭科教諭の和漢歩実さんに伺いました。
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一般的にリンゴは日持ちしやすい果物
リンゴには、パック入りで売られている肉や魚のような消費期限や賞味期限の表示規定はありません。したがって、各自状態を見ての判断です。一般的に、リンゴはほかの果物と比べると日持ちしやすいですが、温度の影響を受けやすいので、保管する場所によって変わってきます。低温多湿を好む果物なので冷蔵庫の野菜室で、涼しい季節なら常温での保存が可能です。
冷蔵庫の野菜室での保存ならば、1~2か月はおいしく食べられるでしょう。乾燥しないように、ひとつずつキッチンペーパーなどの紙に包んでからポリ袋に入れて、口を閉じて保存します。冷蔵庫に入り切らない場合、温度変化が少ない冷暗所であれば、常温保存で約1か月が目安。箱買いした場合は、箱に入ったままでも問題ありませんが、ひとつずつキッチンペーパーなどの紙に包んでポリ袋に入れて口を閉じて保管すると、さらにおいしさが長持ちします。
ただし、リンゴは収穫されたあとも呼吸を続け、自らの熟成を進める「エチレンガス」を出す性質が。そのままリンゴを保存すると、近くにあるほかの野菜や果物の成長が進み早く傷んでしまう原因にもなるので、気をつけましょう。
カットしたリンゴは、食塩水やレモン汁をつけ、ラップをして冷蔵庫へ。変色を防いで見た目の良さもキープでき、2日ほど保存できます。そのほか、冷凍保存も可能です。皮や芯を取り除いてからラップに包み、冷凍用の保存袋に入れて冷凍してください。1か月ほどを目安に、常温に戻してシャーベットのように楽しむか、砂糖と水で煮るなどして食べると良いでしょう。
“賞味期限”の見極め方とは 表面のべたべたは新鮮な証拠
おいしく食べられる期限を過ぎてしまったリンゴは、次のような特徴があります。まずは表面。皮が変色していたり汁が出ていたりするもの、乾燥して全体がしぼんでいるものは食べないほうが良いでしょう。触ってみて、ぷよぷよとやわらかいものもNGです。異臭がするもの、カビが生えているものは腐っているので食べないようにしましょう。
表面上は問題がなくても、切ってみたら中心分が茶色く変色しているものも、芯からのカビが広がっていたり、腐敗していたりする場合があります。残念ですが、食べ頃の期限を逃している状態です。
表面がべたべたしていることがありますが、これはリンゴ自身が自らを保護するために分泌するロウ質の脂質。水分の蒸発を防いで新鮮さを保っている証拠なので、こちらはおいしいリンゴといえます。ベタベタするロウを口に入れてもとくに問題はありませんが、気になる場合はよく水洗いしてください。
リンゴは、糖質をはじめ食物繊維やカリウム、ポリフェノールや有機酸を豊富に含み、「1日1個で医者いらず」といわれるほど栄養価の高い果物です。積極的に食べましょう。
(Hint-Pot編集部)