Hint-Pot | ヒントポット ―くらしがきらめく ヒントのギフト―

話題

「病院食がおいしくて」 入院中に始まった顔も知らない調理師との文通 感謝の投稿に医療従事者も感動

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部/クロスメディアチーム

病院食を巡る思いがけない入院生活が話題に(写真はイメージ)【写真:写真AC】
病院食を巡る思いがけない入院生活が話題に(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 入院生活での思いがけない手紙の交流を紹介したSNS投稿が大きな話題を集めました。病床で提供される病院食があまりにおいしかったため、うまいうまいと食べていると、ひょんなことから調理師と文通をすることに。とびきりの思い出になり、「顔も知らぬ調理師さんに励まされました」。感謝を伝える投稿には、医療関係者からも続々反響が。心温まるエピソードについて話を伺いました。

 ◇ ◇ ◇

切り干し大根やわかめと大根のみそ汁の味に感激 「かゆい所に手が届く一品」

「前に入院した時、病院食がおいしくてうめぇうめぇ言って食べてたら、看護師に『調理師に手紙書かない?』と言われました」。X(ツイッター)の投稿でこう切り出したのは、歴史系YouTuberのみねるば(@minerva_owl1)さんです。

 入院中で時間があったこともあり、調理師に渡す手紙には、料理の1品1品について凝った文言のレビューを添えたと言います。例えば、切り干し大根は「あっさりとした味つけの中にも深い味わいがあり、これまで食べた病院食の中でも随一の美味しさ」、わかめと大根のみそ汁は「入院患者にとって足りない塩分を満たすと同時に、塩辛すぎず、絶妙な調和の中にある。かゆい所に手が届く一品」といった具合です。

 そうすると、「翌日、調理師の方から感謝の返事がありました。その日もレビューを書いたらまた返事があり、入院中はずっと文通していました」。入院期間は1週間で、文通は4~5回ほど。「顔も知らぬ調理師さんに随分励まされ、数ある中でもあの時が一番楽しい入院生活でした」と投稿を締めくくりました。

 ネット上で大反響を呼び、約2.5万件のリポスト、26万件以上の“いいね”を集めています。

 みねるばさんに改めて入院生活を振り返ってもらいました。「自分が書いたものが人から喜ばれることをうれしく感じました。また、調理師さんが『早く病状がよくなりますように』と、こちらを気遣ってくれたこともうれしかったです。こういうちょっとした気遣いをし合うことが、入院生活を楽しいものにしてくれました」と感慨深げです。

 その調理師はどんな人だったのでしょうか。「それが、調理師さんがどういう人なのか全く分からないのですよね。手紙には名前も年齢も書かれていませんでした。恐らく向こうも私が何者なのかも分からなかったと思います。お互い名前も顔も知らない同士なのに温かい交流ができたのは不思議です」。調理師に会うことなく退院したとのことで、文字通り“文通”の交流だったそうです。

 今回、医師や病院食を提供している管理栄養士、病院の調理師といった医療関係者から次々とコメントが。「バックヤードで病院を支える方にメッセージ送るのはイイね!」「みねるば様のようにメッセージを添えてくださるのは本当に励みになっています」「普段は患者様からいただく言葉はクレームなどが多い中、ありがとうや美味しくいただきましたと言った言葉には本当に感謝しています」「私たちは直接患者様から感謝のお言葉を聞くことがないので、手紙をいただけるととても嬉しいです!」など、共感や感激の声が寄せられています。

 反響の受け止めについて、みねるばさんは「調理師さんからなぜか感謝されるメッセージが多く、いろんな人を喜ばしい気持ちにできたことが、とてもうれしく感じました」。さらに、「入院予定の方や入院中の方が、『自分も感想を書いてみよう』と言っていました。それらが調理師さんたちに届いて幸せな気持ちになるなら、これ以上のことはありません」と実感を込めます。

 手紙で伝える感謝の輪が、どんどん広がっていくといいですね。

(Hint-Pot編集部/クロスメディアチーム)