円安の影響などで、来日する外国人観光客は一向に途絶えません。それぞれの形で日本文化を堪能しています。今年2月から日本で生活するポルトガル人の語学教師もそのひとり。日本に来てからとくに感動したのは、新幹線でした。その快適さや素晴らしさに感銘を受けたといいます。ポルトガルでも有名だという日本の新幹線。その違いとはいったいなんなのでしょうか。

　◇　◇　◇

「日本の新幹線や電車はストレスフリー。ほかの国では経験できない」

　世界的ロックフェスティバル「ロックインリオ リスボン」にロックバンドの一員として出演したこともある、ポルトガル人のロドリゴ・セーラさんは今年2月に来日。7か月間の大阪ライフを経て、現在は東京・中目黒で生活しています。

　音楽活動と併行して、ポルトガル語教師としてオンライン指導サービス「preply」で、全世界の生徒に英語でポルトガル語を楽しく指導しているロドリゴさん。その傍ら、日本滞在も楽しんでいます。そんな日々のなかで、ロドリゴさんの心に深く刻まれたのは、新幹線の快適さだったそうです。

「大阪在住時に、1週間観光する予定で東京へ初めて来ました。物は試しで、行きは夜行バスに挑戦したんですよ。夜発で早朝に無事到着したんですが、まったく眠れず。想像以上のハードな体験で、バスから降りた瞬間は相当、後悔しました」

　ロドリゴさんは苦笑混じりに振り返ります。そして、深夜バスに懲りたロドリゴさんが大阪へ帰る手段に選んだのは、東海道新幹線でした。

「衝撃的な体験でした。こんなにも快適な乗り物が存在するのかと感動しました。ピカピカに光る車体のフォルム、車内の清潔さ、美しさ。すべてのコンディションがアメージングでした。しかも、都市間の移動が本当にとっても速い。また、窓越しに富士山を見ることもできました。雲ひとつない富士山ですよ！　神秘的な時間でした」

　満面の笑みでこう話してくれました。その後、東京へ引っ越しする際にも新幹線を活用したそう。ロドリゴさんによると、日本の新幹線はポルトガルでも高い注目を集めているようです。

「ポルトガルでも新幹線は有名です。『新幹線』という単語を知らない人もいるかもしれませんが、日本の高速鉄道については誰も知っていると思います」

　さらに、母国の電車事情との違いや、統制が取れた日本の公共交通の素晴らしさを教えてくれました。

「ポルトガルでも電車を使う機会は多いですが、よく（職員が）ストライキに突入するので、遅刻や運行中止は日常茶飯事。仕事に行こうにも、30分、1時間と当たり前のように遅れてしまいます。1日1便しか出ないこともあります。規律がしっかりしている日本の新幹線や電車はストレスフリー。ほかの国では経験できない、誰もがうらやむものだと思いますよ」

　ロドリゴさんはこれまで、広島や奈良など日本各地に足を運んだといいます。日本の美しい観光名所とともに、新幹線の素晴らしさは最高の思い出になっている様子でした。

（Hint-Pot編集部）