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外国人観光客も注目する日本の伝統工芸品 「漆器」や「金継ぎ」に使われる漆とは

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部・出口 夏奈子

本物を知ることで身近に 漆器の良さとは

 日本の伝統工芸の多くで担い手不足が懸念されています。漆工に関しても同様ですが、専門学校や大学などに漆工に関連する学部や学科が多くあり、作家や職人を目指す若者が少なからずいるのだそう。

 また、協会では漆器作家や職人たちの作品を展示したり、体験会や講習会を開催したり、改めて漆の美しさを知ってもらうための普及活動に努めているといいます。当初は関係者が多かったそうですが、近年では30~40代の女性が趣味の一環で「金継ぎ」などを始めるケースが増えているそうです。

 100円ショップなどで簡単に器が手に入る時代ですが、漆器は器としての仕立ての良さに加え、漆のつややかさは、ほかの加工方法とは一線を画します。そして、正しく手入れすれば、漆がそう簡単に傷むことはないうえに、使い込むことで新品とはまた違った深い味わいを見せてくれる面も。また、漆がはげた場合でも塗り直すことで美しさが復活。さらに何十年と使うことができるのです。

「そういった物を大事にする精神が、本来の日本人のあり方なんです」と花坂さんはいいます。

「もちろん『金継ぎ』や『蒔絵』の体験に参加されるのもいいのですが、やはり本物を手に取ってもらえたらより身近に感じてもらえるのではないでしょうか。漆工が盛んな観光地にもありますが、都内でも漆器屋さんがたくさんあります。そういったところへ行って、本物の漆器をひとつ手に取ってみてください。そして実際に使ってもらえると、漆器の良さを理解していただけると思います」(花坂さん)

漆を使った、美しい黒や赤の漆器。「うるしの日」にちなんで、一生ものの漆器を手にしてみるのもいいかもしれませんね。

◇一般社団法人 日本漆工協会
1948年に設立。漆文化を次世代へと受け継ぐための後世の育成や、展覧会や講習会・体験会などを通した普及活動を行っている。また、会員のための協会誌「日本漆工」は通巻660号を超えている。

(Hint-Pot編集部・出口 夏奈子)