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「甘いから太る」は誤解? メロンの栄養や1日の適量とは おいしく食べるコツも
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教えてくれた人:和漢 歩実
ジューシーで甘い食感が人気のメロン(マスクメロン)。贈答用の高級フルーツのイメージがありますが、現在はさまざまな品種があり、とくに初夏にかけてはおいしい季節です。濃厚な甘みから高カロリー・高糖質でダイエット向きではないイメージがありますが、実はエネルギーが高くなく、うれしい栄養素も豊富なフルーツのようです。メロンの豆知識を栄養士の和漢歩実さんに伺いました。
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意外に低カロリー オレンジ色はβカロテンが豊富
メロンはウリ科の植物で、栽培の歴史は世界的に古いです。原産地はアフリカなど中近東や南アジア、東アジアなど広く、それぞれの地域で栽培種が発達したといわれています。日本ではシロウリやマクワウリといった「東洋系」と呼ばれる種類が伝わり、弥生時代にはすでに存在していたとか。のちに「西洋系」が伝わり、表面に網目のないメロン、網目のあるメロンで分けられるようになりました。網目のあるメロンはネットメロンやマスクメロンとも。果肉は黄緑色(緑肉種)とオレンジ色(赤肉種)のものがあります。
――メロンというと、その濃厚な甘さから高カロリーで太りやすいフルーツのイメージがありますが、実際はどうなのでしょう?
和漢さん(以下、同)「確かに甘みが強いことから、メロンはエネルギーが高く太りやすいイメージがあるかもしれません。しかし、実際はそれほどでもありません。たとえば、可食部100グラムのリンゴとメロン(露地)を比べてみると、リンゴが53キロカロリーに対してメロンは45キロカロリーです。また、糖質となる炭水化物は、リンゴが15.5グラムに対してメロンは10.4グラム。メロンのほうが少ない数字になっています」
――メロンには黄緑色とオレンジ色があります。こちらはエネルギーや炭水化物など、栄養面で何か違いがあるのでしょうか?
「黄緑色とオレンジ色のメロンで顕著に違うのは、βカロテン量です。βカロテンとは、体内で必要時にビタミンAに変わり、皮膚や粘膜を強くして免疫機能を高めることや目の健康に期待されている栄養素です。黄緑色が140マイクログラムに対して、オレンジ色は3600マイクログラムで、オレンジ色のほうが多く含まれています。そのほかは、エネルギーや炭水化物も含めて両者に違いはありません」