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タワマンの管理費が値上がりでピンチ 1年ほど滞納している30代男性 今後はどうすべき? 不動産のプロがアドバイス
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教えてくれた人:姉帯 裕樹
物価高騰の煽りを受け、上昇が続くマンションの管理費と修繕積立金。タワーマンションも例外ではなく、ここ数年での値上がりが止まらず、家計を圧迫する例も増えています。管理費を滞納した場合、どのような結果が待っているのでしょうか。都心のタワマンを購入したものの、値上がりした管理費を支払えないでいる30代男性の話を、不動産業に携わって20年超のプロ、東京・中目黒「コレカライフ不動産」の姉帯裕樹さんのアドバイスとともにお届けします。
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最悪の場合「差し押さえ」が行われることも
マンションなどの共用住宅では、「管理費」を住人から徴収している場合が多いでしょう。これは建物を管理運営し、住人たちが快適に暮らすために欠かせない大切なお金なのですが、なかには滞納している人もいるといいます。
都心のタワマンに住んでいる30代男性。コロナ禍の影響やウクライナ情勢で会社の業績が悪化したため、給料がそれまでの約半分に減ってしまい、ローンを返すだけで手いっぱいだといいます。加えて、マンションの管理費が買った当初から大きく値上がり。貯金を切り崩してなんとかしてきたといいますが、月数万円の管理費を払う余裕がなく、ここ1年ほど払えずにいるそうです。
「管理費の滞納を続けていると、まずラウンジやスポーツジムといったマンション付帯の施設が使えなくなる可能性はあります」と指摘するのは、姉帯さん。払わないままでいると、このほかにどのような問題が起こるのでしょうか。
「管理組合側が簡易裁判所に申し立てを行い、裁判所の判断により管理費の支払いが命じられた場合、最悪、強制執行として給料や預貯金が差し押さえられることがあります。裁判を起こすには弁護士費用等がかかるため、そこまでする管理組合は多くありません。しかし、今後も支払いが滞り、滞納金額が大きくなってきたら、可能性としては否定できないと思います。
また、裁判になった場合、記録が残りますので、今後何かあったときの不安は残るでしょう。管理組合から敵視されてまでその家に住み続けることを選択するか、価値が高いうちに売却してランニングコストの安い家に引っ越すか……。僕なら後者をおすすめしますが、よく考える必要があるでしょう」
(和栗 恵)
姉帯 裕樹(あねたい・ひろき)
「株式会社ジュネクス」代表取締役。宅地建物取引士の資格を持ち、不動産取り扱い経験は20年以上を数える。独立した現在は目黒区中目黒で不動産の賃貸、売買、管理を扱う「コレカライフ不動産」として営業中。趣味はおいしいラーメンの食べ歩き。