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カキは一度あたるともう食べられない? アレルギーと食中毒の違い 医師が解説
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磯の香りと濃厚な味わいを楽しむことができるカキが、旬を迎えています。しかし、「カキはあたりやすい」というイメージを持っている人も多いのではないでしょうか。激しい腹痛や下痢、吐き気などの症状は、一度体験するともうこりごりですよね。「カキは一度あたるともう食べられない」と聞きますが、事実なのでしょうか? 実はカキで体調を崩す原因は、カキアレルギーと食中毒が考えられます。それぞれの違いや症状、予防法について、内科医で江東豊洲はるそらクリニック院長の土屋裕医師に解説していただきました。
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カキを摂ることで起こるカキアレルギー 食中毒との違いとは
「カキにあたる」とは、食中毒またはアレルギーによる症状が起こることをいいます。まずは両者の特徴と違いから解説しましょう。
○食中毒
原因:食べ物に付着したウイルスや細菌、毒素を食事の際に摂取すること
症状:一般的には下痢、嘔吐、腹痛といった消化器症状が中心
発熱:病原ウイルスや細菌による感染症タイプで伴うことが多い。毒素によるものでは伴わない
○食物アレルギー
原因:体内に入った“異物”を排除しようと免疫が過剰に反応し、体に害が及ぶことで生じる。カキアレルギーを含む食物アレルギーの多くは、その成分に含まれるタンパク質への過剰な免疫反応によるもの
症状:腹痛、嘔吐、下痢などの消化器症状が多い。のどのかゆみや蕁麻疹、場合によってはアナフィラキシー症状(呼吸困難、動悸、めまい、意識障害)が現れることもある
発熱:ないか、あっても軽度
また、食中毒と食物アレルギーでは、発症するまでの時間にも違いがあります。病原体に感染することで起こる食中毒では、体内に入った病原体が増えて感染が成立するまで時間を要するため、食後に症状が現れるまで半日から長いと2日くらい。食物アレルギーの場合、食後すぐに過剰な免疫反応が起こり、2時間くらいの間に症状が現れることが多くあります。