国内ニュース
女性の口内の健康 加齢による唾液の減少でトラブルも 専門医に聞くケア方法
公開日: / 更新日:
教えてくれた人:石田 智子
歯周病、ドライマウス、顎関節症など口内のトラブルに、女性ホルモンが影響していることが近年明らかになり、男性よりも女性のほうが口内環境が悪化しやすく歯を失うリスクも高いといわれています。「しっかりとかめなくなることで顔の筋肉が衰えて、口角が下がって見えたり、ほうれい線が気になったり老けた印象になる場合もあります」と指摘するのは、お口のエイジング専門家でアイエスデンタルクリニック院長の石田智子院長。そういえば「以前よりも口臭が気になる」…など、いつの間にか感じるようになった症状は口のエイジングのサインかも。トラブルを未然に防ぐため、11月8日の「いい歯の日」にちなんで、石田院長に口のエイジングの原因やケア方法を聞きました。
◇ ◇ ◇
しっかりかめないと老け顔にも 唾液分泌を促すためのコツとは
年齢とともに口臭や口内のネバつき、歯茎の腫れなど、口の中のトラブルの種類が増えて長期化しやすくなったり、頻繁に起きやすくなったりするそうです。毎日歯磨きを行っていれば大丈夫、痛みなどの症状がないから大丈夫という思い込みで気付かぬうちに口内環境が悪化しているケースも。石田院長は年齢とともに起こるトラブルの原因を次のように指摘します。
「お口のエイジングは、主に加齢による唾液の減少が原因です。唾液には口の中の汚れを洗い流し、細菌の繁殖を抑えるなどお口の中の浄化作用があります。しかし、加齢やストレスなどにより唾液の量や質が変化すると、口内環境が悪化して、菌が増殖しやすくなり、歯垢がたまりやすくなります。また、菌が出す老廃物が歯周組織を刺激してしまいます」
大切なのは、唾液。石田院長によると、唾液の量は全身の若々しさにも関係があるそう。唾液は、口の中の最大の免疫で、唾液が出ている人ほど免疫力が高いといえるそうです。唾液の分泌を促すために、気付いた時に簡単にできるケア方法を教えていただきました。
〇唾液腺マッサージ
唾液の分泌を促すために、唾液腺をマッサージしてみることも、対策のひとつ。耳たぶの下あたりにある「耳下腺」、あごの骨の内側にある「顎下腺」、あごの真下にある「舌下腺」の3つ。指で押すと、唾液が出てきやすいといいます。
〇さしすせそ運動で口元の筋肉を鍛える
口をできるだけ大きく開けて、「さ」「し」「す」「せ」「そ」の形を作り、それぞれ5秒ずつキープします。口の周りの筋肉を動かすことで唾液が出たり、肌の血流が良くなったりするほかシワやたるみの予防にもつながります。