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路線バスから消える「ヲタ席」 いったいなぜ? 残念がるファン 専門家は「仕方ない決断」とキッパリ
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最近の路線バスにある変化が起きています。「ヲタ席」と呼ばれる乗降扉側の最前列の席が次々と撤去されているのです。X(ツイッター)にバス車内の写真を投稿した商用車メーカーの中の人(@trucknakanohito)さんは「運転手からは好評」と発信し、“いいね”が7000件以上寄せられています。一方、「ヲタ席」ファンからは残念がる声も。賛否両論があるようですが、商用車メーカーの中の人さんは「仕方ない決断」と迷いはありません。その理由を聞きました。
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気になるバスマニアからの“熱い視線”
多くの人が利用する路線バス。投稿された2枚の写真を比べて見ると、乗降扉側の最前列にあった“スペシャル”な席が撤去されています。「これは燃料タンクの位置を変更したからです。バスの後部から左前輪の上に移動しています」とこの分野の専門家である商用車メーカーの中の人さんは説明します。
燃料タンクの移動には納得の理由がありました。「位置を移すことで車外にある給油口の位置が高くなり給油作業がラクになります」。加えて、「運転席から左側の視界が開けたことで巻き込み確認が容易になりました」と安全への配慮があるようです。意外だったのはバス運転手のある悩みが解消されたこと。それは「この席からバスマニアの“熱い視線”を受けることが無くなりました」。
バス運転手にとって乗客からの“熱い視線”は気になるのでしょうか? 「気になる運転手は多いですよ。巻き込み確認する際にヲタ席に座っている乗客と目が合ってしまうのが気になる理由です。さらに言うとヲタ席は高い位置にあるので席に座る時や席から降りる時に転倒する方もいました。それが無くなったのは大きな利点です」。
このように運転手からは好評のようですが、バスファンの中には残念がる声も多数上がっています。ヲタ席が無くなって乗務員に文句を言う乗客がいたり、ヲタ席を巡って乗客同士がけんかしたりする事態もあるそうです。その辺りを聞くと「安全な運行をするためには仕方がない決断だと思います」とキッパリ。乗客に対しても「ヲタ席があったスペースに荷物を置いたり立ち止まったりすると他の乗客が車内の奥に入る時の妨げになりますので、バスに乗る際にはこの付近で立ち止まらず中に進んでいただくことを周知したいです」。
Xユーザーからは「その席でバスの運転手に尊敬と憧れを持ちました」「小学生の頃はこの席が大好きだったなー」「チョッと残念です」などと惜しむ声が上がっていますが、「安全になったならいいことだね!」「ドライバーにとっては良いこと」と前向きに捉える意見もあります。
「ヲタ席」撤去には一抹(いちまつ)の寂しさもありますが、安全優先のために技術チームが改良を重ねた結果の決断です。乗客としては相互に譲り合いながら安全運転に協力するよう心掛けたいですね。
(Hint-Pot編集部/クロスメディアチーム)