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おにぎりに電車のイラスト 息子のため描き続けた母に約5万人感動「本当の食育」
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多くのお母さんが頭を痛める“お弁当問題”。食が細くてなかなか食べてくれない、子どもが喜ぶキャラ弁を作ってあげたいけど細かい作業は苦手だし衛生面が気になる……。こんなお悩みを一気に解決する、お母さんのアイデアがSNS上で話題を集めています。乗り物が大好きな息子さんのため、おにぎりを包む食品用ラップフィルムに描いたのは電車のイラスト。初期と比べると格段にクオリティがアップしています。どのような経緯で絵を添えるようになったのでしょうか。投稿者の海岸真紀子(@makikoumigishi)さんに詳しいお話を伺いました。
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幼稚園に通う息子はどうやったら楽しくお弁当を食べてくれるのか…
色鮮やかに描かれた電車のイラスト。モデルは、東京・新宿から神奈川・箱根を結ぶ小田急電鉄の人気列車・特急ロマンスカーで、先頭車両の展望席も忠実に再現されています。素晴らしい出来栄えですが、実はこのイラスト、小さな四角いおにぎりを包むラップに描かれています。
これを描いたのは、東京都でアーティスト活動を行っている海岸さんです。幼稚園の年少クラスに昨春入園した息子さんのため、海岸さんはこの1年近く、お弁当の日は欠かさずラップに電車のイラストを描いてきたそう。「やめ時を逃して完全に日課になってる」と綴り、先日これまで手がけた“作品”の数々をツイッター上に投稿しました。
すると4.8万件もの“いいね”が集まり、リプライ(返信)にメッセージが殺到。「すごい熱量」「うるっときた」「これが本当の食育」「商品化してほしい」といった称賛の声だけでなく、「会社ロゴや路線記号の再現、最高です」「遠近法を使ったイラストがすごい」など、鉄道ファンと思われるユーザーからのメッセージも寄せられました。
「かわいいお弁当」は挫折 色合いを良くするために思いついた電車のイラスト
毎朝のお弁当作りは時間との勝負。「イラストを描くなんて」と思う方も多いでしょう。しかし、海岸さんにとっては、どうすれば子どもが楽しく幼稚園生活を送れるかを考えた末の結論だったそうです。
「息子は入園前からごはんを自分で食べ切ることが難しかったため、プレ保育の時からお弁当が心配事の一つでした。入園してお弁当持参の生活が始まってからも、慣れない環境での食事に落ち着かず、初めはなかなか園での食事を楽しめずにいたようでした」
このままお弁当の時間がつらいことを理由に、幼稚園に行くこと自体が嫌になってしまったらどうしよう……と焦った海岸さん。そこで自身が幼稚園に通っていた時代に母親が作ってくれた「かわいいお弁当」を思い出し、幼稚園児向けのレシピ本を購入しました。
しかし、ページを開くと、海苔やチーズを小さく切ったり、野菜やごはんを型抜きしたりと想像以上に細かな作業だらけ。しかも息子さんは「嫌いな食べ物が多く、家でもほとんどの野菜を断固拒否」なのだとか。
野菜を入れることは諦めたそうですが、そうなるとお弁当の色合いは白と茶色ばかりに。そこで思いついたのが、息子さんが大好きな電車の「イラスト」でした。