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おいしいカボチャの見分け方 皮の一部がオレンジ色になっているものは選ぶべき? 栄養士に聞いた
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教えてくれた人:和漢 歩実
もうすぐ冬至。2023年は12月22日(金)です。βカロテンなど栄養豊富なカボチャを冬至に食べると「風邪をひかない」といわれることから、カボチャが食卓に並ぶ家庭も多いでしょう。せっかくならば、おいしいカボチャを手に入れたいですよね。そこで、見分け方のコツや豆知識について、栄養士で元家庭科教諭の和漢歩実さんに伺いました。
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ポイントはヘタ、皮、重さ 皮の一部のオレンジ色は果肉の色
――カボチャを1個丸ごと買う際、おいしいものを選ぶポイントはありますか?
和漢歩実さん(以下、同)「カボチャを丸ごと1個買う場合は、次の3つのポイントを見て選ぶのが良いでしょう。まずはヘタ。コルクのように乾いているものが、完熟している証です。付け根部分を見て、へこんでいるものがあればさらに良いでしょう。ヘタの付け根部分が青いものは甘みが少ないといわれています。続いて皮。緑色が濃く縞模様がはっきりして、ツヤがあり硬いものを選びましょう。それから重さです。手に取った際にずっしりと重みがあるものは、中身がぎゅっと詰まっています」
――皮でいうと、一部がオレンジ色になっているカボチャを見かけることがあります。傷んでいるのでしょうか。
「このオレンジ色の斑模様は『ランドマーク』と呼ばれ、熟していることを示す目安ともいわれています。この部分の皮の色は、カボチャの中身と同じ色の場合が多いといわれ、傷んでいるわけではありません。つまり、濃いオレンジ色であれば、中身も同じ濃いオレンジの色のカボチャということです」
――カボチャは、果肉の色がオレンジ色のほうがおいしいと聞いたことがあります。
「はい、そうです。カボチャは、果肉が濃いオレンジ色のもののほうが甘みが強いといわれています。したがって、もし店頭で皮が緑色だけのカボチャ、皮の一部がオレンジ色のカボチャの両方があったら、皮の一部がオレンジ色になっているカボチャを選ぶと良いでしょう」
――形はどうでしょうか?
「左右が対称的になっているものを選んでみましょう。形が整っているものは、栄養が行き渡って順調に育った証拠。いびつな形をしているものは、受粉や生育の過程でストレスがかかっている可能性があります」
カットカボチャは果肉と種をチェック
――1/4などにカットされて売られているカボチャは、どのようなポイントを目安にしたら良いでしょうか?
「完熟した状態で収穫されたものほど、甘みがあっておいしいといわれているので、熟したものを選ぶことがポイントとなります。まず、果肉。厚みがあって、切り口の色は濃く鮮やかなものが良いでしょう。皮の緑色と果肉のオレンジ色がはっきりと分かれているもの、皮は薄めのほうがおいしいです」
――そのほか、チェックすべきポイントはありますか?
「種もついていると思うので、種の状態、形と大きさを見てください。しっかりと種が詰まっているもの、種が大きくて厚みのあるカボチャはよく熟していて、甘くておいしい証拠です。種が小さい場合は、未熟な状態で収穫された可能性があります」
――甘くておいしいカボチャを選んで、日々の食卓に取り入れたいですね。
「カボチャにはβカロテンをはじめ、ビタミンCやビタミンE、食物繊維など、風邪が気になる寒い季節に有効な栄養素が豊富に含まれています。優れた緑黄色野菜なので、これからの寒い季節を乗り切るために、ぜひおいしく食べましょう」
(Hint-Pot編集部)
和漢 歩実(わかん・ゆみ)
栄養士、家庭科教諭、栄養薬膳士。公立高校の教諭として27年間、教壇に立つ。現在はフリーの立場で講師として食品学などを教える。現代栄養と古来の薬膳の知恵を取り入れた健やかな食生活を提唱。食を通して笑顔になる人を増やす活動に力を注いでいる。
ブログ:和漢歩実のおいしい栄養塾