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冬至の主役はカボチャとユズ以外にも 食べると“運を呼び込める”縁起担ぎの7食材とは

公開日:  /  更新日:

著者:鶴丸 和子

冬至といえばカボチャ煮とユズ湯が一般的(写真はイメージ)【写真:写真AC】
冬至といえばカボチャ煮とユズ湯が一般的(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 2021年の「冬至」は12月22日。北半球では正午の太陽の高さが低くなり、日照時間が一年のうちで一番短くなります。日本では、この日に栄養のあるカボチャを食べたり、浴槽にユズを入れて季節湯として温まったりする風習が一般的ですね。この他にも、運を上げるために「冬至の七種(ななくさ)」と呼ぶ食べ物で縁起を担ぐ地域もあるようです。冬至の豆知識を解説します。

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冬至とは何をする日? ユズ湯はどこから始まったのか

 冬至は、昼間が短く夜が長いことから、太陽の力が最も弱まる日とされてきました。しかし、次の日から少しずつ日が長くなるため、太陽の力が復活するとも。また、冬至を境に運が向かってくるとの考えから「一陽来復」とも呼ばれています。

 冬至といえば、ユズ湯に入る風習がおなじみです。起源には諸説ありますが、「冬至」を「湯治」、「ユズ」を「融通」(が利いて体が丈夫)にかけた語呂合わせで、江戸時代の銭湯が季節の催しとして始めたといわれています。そうしていつからか、一段と厳しくなる寒さに備えて「冬至にユズ湯に入ると風邪をひかない」という無病息災の言い伝えが生まれたようです。

 耐寒性に優れたユズは冬が旬。実になるまでに長い年月がかかるので、「長年の努力が実りますように」との願いが込められたとも。また強い香りは古くから「邪気を払う」とも考えられており、冬至に旬のユズを浮かべた湯に浸かることで、運を上げる前に身を清める意味もありました。

こんにゃくで身を清める地域も…冬至に食べるものはさまざま

小豆を入れて煮る「カボチャのいとこ煮」(写真はイメージ)【写真:写真AC】
小豆を入れて煮る「カボチャのいとこ煮」(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 冬至に食べることで知られる代表的なものはカボチャ。夏から初秋にかけて収穫される野菜ですが、長期保存ができるので、昔は緑黄色野菜が不足する冬の貴重な食材でした。風邪の予防を期待して冬至に食べるようになったといわれています。

 旬の小豆と一緒に煮た「カボチャのいとこ煮」を「冬至カボチャ」とする風習も。いとこ煮の由来には、同じ畑で生まれ育った豆と野菜を一緒に煮ることからという説や、調理の手順で火の通りにくい食材から「おいおい(甥甥)」煮るためという説があります。

 小豆の赤い色は、昔から「厄除け」の意味があるとされてきました。冬至の朝に、小豆粥を作って食べる地域も。また、こんにゃくを「砂おろし」や「砂払い」などと呼び、冬至に食べて体内に溜まった「悪いもの」を外に出し、身を清める地域もあります。地域によって冬至の行事食はさまざまあるようです。