Hint-Pot | ヒントポット ―くらしがきらめく ヒントのギフト―

ライフスタイル

シンクの排水口に流してしまいがちな熱湯 掃除のプロが警鐘を鳴らす理由とは

公開日:  /  更新日:

著者:和栗 恵

教えてくれた人:伊藤 まき

キッチンシンクについ流してしまいがちな熱湯。NGの理由をプロが解説(写真はイメージ)【写真:写真AC】
キッチンシンクについ流してしまいがちな熱湯。NGの理由をプロが解説(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 ぬめりや臭いが気になりやすい水回り。野菜をゆでこぼしたり、パスタをゆでたりする際、一石二鳥とばかりに熱湯をそのまま排水口に流してしまっていませんか? 実は、この行為は効果があるどころか、家を傷つけている可能性があり危険です。クリンネスト2級の資格を持つ、掃除と片づけのプロ・伊藤まきさんにお話を伺いました。

 ◇ ◇ ◇

排水用の塩ビ管 耐熱温度は60~70度

 キッチンやお風呂場などの排水口に、熱湯を流すのはNGです。その理由は至極簡単で、排水口からつながる排水用塩ビ管(硬質ポリ塩化ビニル管)の耐熱温度が、60~70度程度しかないため。沸騰したての熱湯を流してしまうと塩ビ管が変形し、最悪の場合、排水管が破損。水漏れを起こしてしまうためです。

 近年、80度程度まで耐えられる強化塩化ビニル製の配管も出ているようですが、それでも80度が上限。100度近い熱湯を流してしまうと、ゆがんでしまう可能性があるのです。

 配管がゆがむと、そこに排水が溜まるなどし、汚臭の原因になることも。汚臭を防ぐために良かれと思ってしていたことが、結果的にさらなる汚臭を生む原因になりかねません。野菜やパスタをゆでたあとの湯は、60度程度まで冷ましてから捨てるようにするか、温度を下げるために大量の水とともに流すよう心がけましょう。

 排水口や排水パイプの詰まりを防ぐには、日頃から油汚れを流さないようにする工夫も必要です。食器や調理器具に残った油汚れは、キッチンペーパーで拭き取ってから洗うようにするだけでも違ってきます。

 どうしても排水口からの臭いや詰まりが気になる場合は、一度排水口を閉じてシンクにお湯(50度程度)をたっぷりと貯めてから一気に流すと、水圧により排水管の詰まりが取れ、臭いが解消されることがあります。それでも解消できない場合は、プロに頼むのも手。排水管の中いっぱいに油の塊が詰まっていた……ということもあるようですよ。

(和栗 恵)

伊藤 まき(いとう・まき)

整理収納アドバイザー1級、クリンネスト2級。ホテル清掃員や国鉄系レストランの厨房、内装会社、デパートの搬入搬出などで経験を積み、出版社に入社したのち独立。掃除しながら片づける「整理収納のプロフェッショナル」として各種ウェブメディアで記事を手がけ、掃除本の編集ライターとしても活躍中。
インスタグラム:maki_organize