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排水口の臭い対策 塩素系洗剤では根本的解決にならない 「元から絶つ」方法をプロが解説

公開日:  /  更新日:

著者:和栗 恵

教えてくれた人:伊藤 まき

排水溝から上がる嫌な臭い。解消する方法をプロが解説(写真はイメージ)【写真:写真AC】
排水溝から上がる嫌な臭い。解消する方法をプロが解説(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 キッチンやお風呂にある排水口からの汚臭。さまざまな原因が考えられますが、排水口や排水管内に汚れがこびりつき、雑菌やカビが繁殖することで起こることがあります。この汚臭対策に「塩素系洗剤」が有効であることは知られていますが、「目に見える範囲を掃除するだけでは、根本的な解決にはなりません」と、掃除のプロはピシャリ。根本的に解決するために何をするべきなのでしょうか。クリンネストの資格を持つ、伊藤まきさんにお話を伺いました。

 ◇ ◇ ◇

塩素の臭いでごまかすだけではまた臭うことに

 排水口周りのぬめりなど、汚れをこすらずに落とすことができるとして、さまざまな塩素系洗剤が売られています。これらを使うと排水口周りは確かにきれいになりますし、塩素の強烈な臭いにより、一時的に排水口や排水管からの臭いは抑えられます。

 ですが、しばらくするとまた臭ってくる……という場合は原因が解決しておらず、ただごまかしているだけです。通常、頻繁に水を流していれば排水管から臭いが上がってくることはほぼありません。しかし、慢性的に臭いが上がってくるということは、排水管や排水口になんらかの問題があると考えられます。

 排水口には「封水」と呼ばれる、臭いの逆流や害虫の侵入を防ぐ工夫がされていますが、長期間水を流さずにいると封水が蒸発し、下水の臭いが上がってくることがあります。しかし、水を頻繁に流しているのに臭いがする場合は、排水管内にゴミや髪の毛などが詰まっている可能性が考えられます。

 また、排水管がずれて隙間ができてしまい、そこから汚臭がしている可能性も。塩素系洗剤で数回洗っても解消されない場合は、必ず業者に頼んで、排水管周りの確認をしてもらいましょう。また、定期的な高圧洗浄も有効です。

 それとともに、普段から細かなゴミが排水管に流れないよう工夫することも大切です。排水口の皿の目が粗い場合は、ネットをかぶせるなどして茶がらや髪の毛など細かなゴミが流れないようにすると、排水管の詰まりを防ぐことができます。また、流しにつけられているゴミ受けや排水トラップに経年劣化がみられる場合は、速やかに取り換えましょう。

「臭い物にはフタをしろ」という言葉がありますが、フタをしただけでは根本的解決になりません。臭いは元から絶つのが正解です。

(和栗 恵)

伊藤 まき(いとう・まき)

整理収納アドバイザー1級、クリンネスト2級。ホテル清掃員や国鉄系レストランの厨房、内装会社、デパートの搬入搬出などで経験を積み、出版社に入社したのち独立。掃除しながら片づける「整理収納のプロフェッショナル」として各種ウェブメディアで記事を手がけ、掃除本の編集ライターとしても活躍中。
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