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二日酔いになってからでは遅い? シジミ汁を飲むタイミングを栄養士に聞いた
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教えてくれた人:和漢 歩実
年末年始、つい飲みすぎて翌日、吐き気や頭痛などでつらいということもあるかもしれません。「二日酔いのときは、シジミ汁が良い」と聞きますが、実際はどうなのでしょうか? シジミの栄養やアルコールとの関係などについて、栄養士で元家庭科教諭の和漢歩実さんに伺いました。
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シジミの栄養 肝機能を高める成分も
シジミは、縄文時代の貝塚から発見されるなど、古くから日本人の食を支えてきた、なじみのある食材です。現代でも、みそ汁はもちろん、佃煮や炊き込みごはんなどにしても、貝独自のうま味成分があるのでおいしく食べられます。
身が小さな二枚貝ですが、栄養は豊富。人の体の構成に欠かせないたんぱく質をはじめ、造血やDNAの合成にかかわるビタミンB12、免疫機能の維持に必要な亜鉛、貧血予防の鉄、強い骨を作るカルシウムなどが含まれている食材です。肝機能の働きをサポートするオルニチン、タウリンも含むことから、シジミは肝臓に良い食べ物として知られています。
「二日酔いにシジミ汁」といわれるのは、とくにシジミに多く含まれるオルニチンが関係しているといえるでしょう。オルニチンは、肝機能の働きを促し、アルコールの代謝をスムーズにすることが期待されています。しかも、みそ汁にすることで不足した水分や塩分などのミネラルを補えるうえ、アルコール代謝に欠かせないナイアシンも豊富。お酒を飲む人にとって、シジミ汁はおすすめの料理といえるでしょう。
オルニチンのメリットを摂取するならお酒と一緒に飲む?
体質などの個人差はありますが、一般的に二日酔いになる過程は次の通りです。
通常、アルコールは肝臓でアセトアルデヒドという物質に分解され、さらに酢酸に分解されていきます。酢酸は、血液中に入り全身をめぐりながら、水と二酸化炭素に分解されて、尿などと一緒に体外に排出されますが、肝臓の働きを超えるほど大量に飲酒すると、酢酸に分解しきれなかったアセトアルデヒドが全身をめぐることに。そのため、お酒を飲んだあと、頭痛や吐き気といった二日酔いになるといわれています。
確かに、お酒を飲みすぎた翌朝にシジミ汁を飲むと、温かく、ほど良い塩味や旨味もあるので、回復の手助けにはなるでしょう。しかし、オルニチンのメリットを摂取する観点でシジミ汁を飲むのならば、アセトアルデヒドが全身をめぐっている二日酔いのタイミングではなく、お酒を飲む前に、あるいは一緒のほうが良いといえます。
ただし、シジミ汁を飲んだからといって、大量にお酒を飲んで良いということではありません。アルコールは適量を楽しみましょう。
(Hint-Pot編集部)