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東京初観光の韓国人女性、旅行満喫も街歩きで困惑したワケ ソウルにあるものを「ほとんど見かけず」

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部/クロスメディアチーム

韓国人観光客が「広い」と感じた東京・下北沢の空【写真:Hint-Pot編集部】
韓国人観光客が「広い」と感じた東京・下北沢の空【写真:Hint-Pot編集部】

 日本を訪れる外国人観光客の国別内訳で、トップを占めているのが韓国人。全国各地で韓国人観光客の姿が見られる中、初めて東京を訪れたある韓国人女性が意外な人気スポットに向かいました。それはサブカルチャーの聖地と呼ばれている若者の街・下北沢(世田谷区)です。幼少期に家族と一緒に福岡と大阪を訪問して以来、久々の日本。韓国との違いをどう感じたのでしょうか?

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古着ショップに興味津々「素人の私には見極めがつかず…」

 若者の聖地・下北沢の瀟洒(しょうしゃ)なビジネスホテルを拠点に、2泊3日で東京を楽しんだソウル在住の会社員・李元姫(イ・ウォニ)さん。同世代となる、30代前半の友人と一緒に東京にやって来ました。日本に留学中の別の友人が下北沢の近くに住んでいることと、日本のサブカルチャーに興味があることから、宿泊地として下北沢を選びました。

 下北沢では日本の若者に交じってストリートのあちこちにある古着ショップを何軒ものぞいてみました。ソウルにも東大門市場や南大門市場など巨大なファッションタウンがありますが、日本の古着ショップは全く雰囲気が違う、と言います。

「東大門も南大門も安くて品数が豊富ですが、若者特有のサブカルチャーぽい雰囲気は感じません。若者の街である下北沢の古着ショップは若者カルチャーの歴史を感じさせる衣服が多いと思いました」。ただ実際に店に到着すると、品数が多くて選ぶのに苦労しました。日頃から美術とファッションに関心があるウォニさんは「結局、どの服にサブカル的な“価値”があるのか難しくて…。素人の私には見極めがつかず、結局、何も買わないで店を後にしました」と苦笑い。

下北沢に立ち並ぶ古着ショップに韓国人観光客が興味津々【写真:Hint-Pot編集部】
下北沢に立ち並ぶ古着ショップに韓国人観光客が興味津々【写真:Hint-Pot編集部】

 もう一つ、下北沢では意外な景色が強く印象に残りました。「街を歩いてみて思ったのは“空が広い”ことです。ソウルも東京の都心も高層ビルが多くて空の景観を遮っていますが、下北沢は高いビルがほとんど目につかず、青い空が広がっていて気持ちがいいです。こういう落ち着いた街はソウルにはありませんね」。

 他にも、下北沢から電車に乗って渋谷から表参道、原宿、代官山に足を延ばし、各地の美術館を巡るなどして楽しい時間を過ごしました。そんな旅の途中で驚いたのは「静かさ」だと言います。「電車の中でも、路上でも、日本人はみんな静かに話していました。韓国では電車内で携帯電話を取り出して大きな声で話す人が多いので、これには少しビックリしましたね。飲食店やファッション店の店員さんもサービス精神に優れているように見えましたし、何よりも街や道路がキレイでした」と好印象を抱きました。

 一方、困ったこともありました。「何というのか…通りにゴミ箱がないんです。繁華街ではほとんど見かけませんでした。コーヒーのカップやペットボトルをどこに捨てればよいのか戸惑いました」。それでも、下北沢のカレー屋やブランチカフェ、代官山の蔦屋書店の中のカフェ、表参道のお好み焼き屋、渋谷のAKOMEYA食堂で定食を食べるなど、“初東京”を思う存分楽しみました。今回の旅の予算は4~5万円。今後の日本旅行については「円安もありますのでまた近いうちにぜひ訪れたいです」と笑顔が弾けました。

(Hint-Pot編集部/クロスメディアチーム)