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電気代が気になるエアコンの暖房 効率が良い使用法をプロが解説

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:本多 宏行

エアコンの暖房費をなるべく節約する使い方とは(写真はイメージ)【写真:写真AC】
エアコンの暖房費をなるべく節約する使い方とは(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 暖冬傾向が続いているものの、これから一年間で最も寒いといわれる「大寒」を迎えます。暖房器具で一番使われているのはエアコンですが、実は冷房よりも暖房のほうが、一般的に電気代がかかることをご存じですか? 電気代高騰が続く今、なるべく節電をしながら賢く使用したいところ。そこで、電化製品の延長保証制度の設計・運営を行うテックマークジャパン株式会社の総合家電エンジニア・本多宏行さんに、お話を伺いました。

 ◇ ◇ ◇

効率良く室温を上げるための3つのポイント

 原油など化石燃料の価格上昇に伴い、大手電力5社が1月請求分から電気料金を値上げすると発表しています。政府は「電気・ガス価格激変緩和対策」の延長を発表しているものの、できる限り暖房費を抑えたいですよね。

 エアコンが電力を最も消費するのは、稼働時と設定温度へ室温が達するまで。冬場は夏場に比べて外気温と室温の差が大きいので、電気代は暖房のほうが高くなる傾向があります。消費電力をなるべく抑えるには、効率良く部屋を暖める設定温度や風向き、風量に設定しましょう。

○設定温度 20度程度(必要以上に上げない)
○風向き  下向き
○風量   自動

 本多さんによると、風量は夏場も冬場も自動運転が最も省エネ効果を発揮するそう。また、暖かい空気をしっかりと循環させることが大切です。

「暖かい空気は部屋の天井あたりに溜まっています。エアコンの吹出口を床に向けておくと空気を循環させることができるでしょう。さらに、サーキュレーターとの併用も効果的だと思います。サーキュレーターは夏場に併用する印象が強いですが、まっすぐで力のある風の流れを作り出せるため、暖房時にも活躍してくれます。サーキュレーターを天井に向けておくと良いでしょう」

毎日使うエアコン 掃除はどれくらいの頻度がベスト?

 冬はインフルエンザなどの感染症が流行しやすい季節です。人が集まる場合にはとくに換気が大切。また、結露を防いだり、加湿器などによって湿度が高くなりすぎたりするのを予防するためにも、適切な換気が必要です。部屋の換気をする際、暖房はつけたままが良いとよく耳にしますが、本当なのでしょうか。

「部屋の温度が大幅に下がることを抑制したい考え方ではないでしょうか。エアコンで暖房運転の際に換気を行ったと仮定します。換気によって部屋の温度が下がれば、暖房運転を再開させた場合にエアコンへの負荷は大きくなります。余計な電力を消費しないための効果的な対策だと思います」

 また、暖房をしっかりと効かせるためには、フィルターの目詰まりは大敵です。毎日のようにエアコンの稼働が続きますが、冬本番中の今、フィルターと室外機の掃除はどれくらいの頻度でするべきなのでしょうか。

「夏場も冬場も同様に、2週間に1度を目安にフィルターのお手入れがおすすめです。フィルター自動掃除機能が備わっていても、取扱説明書に従って正しくお手入れしましょう。室外機については、周辺に物を置かず風通しを良くすることが大事です。また、室外機周辺に枯れ葉などが付着していれば取り除いてあげましょう」

 電気代を節約しようと、暖房を適切に使用せず、体調を崩してしまったら元も子もありません。使い方を工夫して、寒い冬を乗り切りましょう。

(Hint-Pot編集部)

本多 宏行(ほんだ・ひろゆき)

総合家電エンジニア。スマートマスター。延長保証会社テックマークジャパン株式会社オペレーション部クレームチームエキスパート。大手自動車ディーラーでメカニックを経験した後、1999年に延長保証会社「テックマークジャパン」入社。一貫して、延長保証の修理精査業務に携わっている。取り扱い製品は、家電全般、住宅設備(給湯器、換気扇、温水洗浄便座など)、パソコン、車など多岐にわたる。多種多様な家電製品の幅広い専門知識が必要な「総合家電エンジニア」とスマートハウスのスペシャリスト「スマートマスター」の資格を保持し、チームを牽引する。