Hint-Pot | ヒントポット ―くらしがきらめく ヒントのギフト―

カルチャー

「確かなのは韓国よりおいしかったこと」 女性観光客が本場の「おまかせ」を堪能 ランチコース5000円は「リーズナブル」

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部/クロスメディアチーム

外国人観光客でにぎわう都内の高級すし店(写真はイメージ)【写真:写真AC】
外国人観光客でにぎわう都内の高級すし店(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 最近、韓国で流行しているのが「おまかせ」です。ソウル市内の和食店には日本語そのままの「おまかせ」コースを楽しむ若いカップルが列をなしています。今月中旬にソウルから東京にやって来た韓国人女性観光客は、日本のすし店の「おまかせ」を堪能したくなり青山の有名店を訪れました。注文したのはランチコースの「おまかせ(OMAKASE)」でお値段は税込み5000円。食後に感想を尋ねると「おいしかったです!」と笑顔が弾けました。当時、カウンター席は右も左も韓国人だったといいます。本場の「おまかせ」が韓国人観光客の間で大ブームになりつつあります。

 ◇ ◇ ◇

シャリは店主の父親が生産した魚沼産コシヒカリ

 ソウル在住の会社員チャン・スジさん(20代後半、仮名)は5回目の来日。今回も東京の大学に留学中の姉と一緒に観光を楽しみました。中でもお目当てだったのが日本のすし店。「東京」「コスパ良し」「おかませ」の言葉(韓国語)を打ち込んでグーグルで検索すると数多くの韓国ブログが現れ、いちばん上に出ていた東京紹介ブログでこのお店を発見しました。

 表参道の交差点に近い静かなエリアにあるこのすし店は、カウンター12席にテーブル席、個室、半個室を備えたこじんまりしたたたずまい。シャリ(お米)は店主の父親が生産した魚沼産コシヒカリを使用しています。ネタとなる魚介類は、北海道の釧路漁港や根室漁港と直接契約して仕入れるなど鮮度がウリです。

「韓国では『おまかせ』が本当にはやっています。私もよく『おまかせ』すしを食べに行きますが、ソウルでは値段が高く1万円以上するお店もあります。今回は本場の日本で質が良くて比較的リーズナブルな『おまかせ』を楽しんでみたかったです」

 5000円の「おまかせランチ」を食べての感想は「ウニ、マグロ、サーモンなどが次々と出てきましたが、魚の名前と漢字が難しくて種類はあまり覚えていません(笑)。確かなのは韓国よりおいしかったこと。高級な感じで感激しました。お店の大将も店員さんも親切でしたし、店もきれいで安い。とてもいい思い出になりました」と大満足。ちなみに「おまかせランチ」のメニューは小鉢、おつまみ3種、握り10貫、巻物半本、お椀、最後にデザートのアイスというラインナップでした。

 スジさんはカウンター席に座りましたが、少し驚いたのはカウンター席の左右が全員韓国人だったこと。2023年11月の訪日外国人観光客数を国・地域別にみると、韓国が約65万人と最多で、次いで台湾の約40万人、中国の約26万人(JNTO推計値)。今や最大勢力となっている韓国人観光客を街で見かけない日はありませんが、特定のすし店に集まってしまうのは面白い現象です。

 自国で「おまかせ」が流行っているため、本場の日本に行きたくなる韓国人。おいしいお店はどこなのかを知るために一生懸命にネット検索しますが、情報源はほぼ同じというケースが多く、それで特定のお店が韓国人観光客の間で人気になっているようです。「次回は両親と一緒にこのおすし屋さんに来てみたいです」とジスさん。プロの職人が握る本場のすしが韓国人観光客を魅了してやみません。

(Hint-Pot編集部/クロスメディアチーム)