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舌平目はヒラメではない? 栄養成分やエネルギーの違い 栄養士に聞いた
公開日: / 更新日:
教えてくれた人:和漢 歩実
ヒラメは、寒い季節においしい魚のひとつ。高級魚ですが、現在は養殖の技術も進み、手軽な価格で手に入りやすくなりました。淡泊な味わいですが、栄養価は高い魚です。一方、名前がよく似た舌平目は、ムニエルなど洋食店のメニューとして見かけることも多く、高級魚のイメージがあります。舌平目はヒラメの一種なのでしょうか。栄養士で元家庭科教諭の和漢歩実さんに伺いました。
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寒い季節に脂が乗っておいしいヒラメ
ヒラメは漢字で書くと「鮃」。文字通り、薄く平たい体が特徴の魚です。表面の見た目は茶色っぽいですが、身は透明感のある白色をしています。また魚体の裏側が白いものは天然物、黒っぽい部分があるのが養殖物です。
ヒラメと見た目が似た魚にカレイがいます。一般的に目の位置で「左ヒラメ右カレイ」と見分け、左側に目があるものをヒラメとしていますが、例外もあるのですべてそうだとは言い切れません。
体長は大きいものであれば1メートルほどにもなる魚です。ヒラメは通年出回る魚ですが、寒くなる1月から2月にかけては寒ビラメと呼ばれ、脂が乗り、淡泊な味わいに旨味がプラスされて美味。煮つけにするとおいしいです。
舌平目は「牛の舌」? ヒラメとの違いは
名に「ヒラメ」とつく魚に、舌平目がいます。しかし、舌平目はヒラメではありません。魚体が扁平で牛の舌に似ていること、目が体の左側にあることから、この名がついたといわれています。舌平目と呼ばれる魚にはアカシタビラメやクロウシノシタなどいくつか種類がありますが、ヒラメと近しいウシノシタ科の魚の総称です。
ヒラメも舌平目も、高たんぱく質で低脂質の白身魚です。含まれる栄養成分に特別な違いはありませんが、日本食品標準成分表2020年版(八訂)をもとに生100グラムあたり(ヒラメ養殖)を比べると、次の通りです。
○エネルギー
ヒラメ:115キロカロリー
舌平目:89キロカロリー
○たんぱく質
ヒラメ:21.6グラム
舌平目:19.2グラム
○脂質
ヒラメ:3.7グラム
舌平目:1.6グラム
○ビタミンB2
ヒラメ:0.34ミリグラム
舌平目:0.14ミリグラム
○ビタミンD
ヒラメ:1.9マイクログラム
舌平目:2.0マイクログラム
ヒラメは、舌平目と比べるとエネルギーや脂質量が多いですが、生で食べることができ、とくにエンガワはコラーゲンやDHA、EPAなどの美と健康に良いオメガ3脂肪酸を含みます。
一方、舌平目は西洋料理では「魚の女王」と呼ばれる高級魚で、小麦粉をまぶしバターで焼くムニエルが美味。ただし、減量中の場合、ムニエルは高カロリーなので注意が必要です。調理方法にも気をつけて、海の恵みをおいしく食べたいですね。
(Hint-Pot編集部)