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エンガワはどの部分? 旬のヒラメの基礎知識 カレイや舌平目との違いも

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:和漢 歩実

ヒラメはカレイと比べると口が大きめ(写真はイメージ)【写真:Getty Images】
ヒラメはカレイと比べると口が大きめ(写真はイメージ)【写真:Getty Images】

 ヒラメは寒い季節に味が良くなり、特に1~2月頃のヒラメは「寒ビラメ」と呼ばれます。同じような魚にカレイや舌平目(シタビラメ)もありますが、違いは何なのでしょうか? 旬のヒラメについて、元家庭科教諭で栄養士の和漢歩実さんに伺いました。

 ◇ ◇ ◇

天然物と養殖物は裏側が違う 白いのは…

 ヒラメは薄く平たい魚体が特徴。体長が大きいものであれば1メートルほどにもなる魚です。見た目は茶色ですが、身は透明感がある白色で加熱しても硬くなりません。

 以前は高級魚といわれていましたが、現在は養殖も盛んに行われ、手頃な価格で広く流通するようになりました。ちなみに天然物と養殖物の違いは裏側。天然物は白いですが、養殖物は黒っぽい部分があります。

 見た目が似ている魚として、カレイが挙げられます。カレイは主に夏がおいしい時期です。一般的な見分け方として「左ヒラメ右カレイ」という言葉があり、目が体の左側にあるのがヒラメとされていますが、例外もあるのですべてそうとは言い切れません。

 ヒラメの方が、体長があって口も大きく、鋭い歯を持つといわれています。これは小魚や甲殻類をエサとして食べるから。一方でカレイは小魚も食べますが、砂の中にいるゴカイやイソメなどの虫をエサにするため、口は小さめです。

 またムニエルなどで知られる舌平目は、名前にヒラメと付きますが、ヒラメではありません。魚体が牛の舌に似ていることからこの名前が付いたそうです。舌平目と呼ばれる魚にはいくつか種類がありますが、ウシノシタ科の魚の総称でヒラメやカレイの近縁です。

高たんぱく質、低脂質の白身魚

 他の魚と比べて魚体が薄いので、栄養が少ないようなイメージもありますが、栄養価は高い白身魚です。白身魚なので、高たんぱく質、低脂質が特徴。天然と養殖では、栄養価にやや違いがあります。日本食品標準成分表2020年版(八訂)を基に、主な栄養価(各100グラム、皮付き)を見てみましょう。

○エネルギー
天然:94キロカロリー
養殖:115キロカロリー

○たんぱく質
天然:20.0グラム
養殖:21.6グラム

○脂質
天然:2.0グラム
養殖:3.7グラム

○ビタミンB2
天然:0.11ミリグラム
養殖:0.34ミリグラム

○ビタミンD
天然:3.0マイクログラム
養殖:1.9マイクログラム

 ビタミンB2は脂質の補酵素でもあり、皮膚や粘膜、髪、爪などの成長を促進します。またビタミンDは、カルシウムの吸収を促進するため、骨や歯を丈夫にする効果が期待できるでしょう。この他、ミネラルのセレンにも注目。抗酸化作用があり、老化や生活習慣病予防が期待されています。