犬種による違いや個体差はありますが、犬は嗅覚が優れており、その能力は人間の1000～１億倍といわれています。ときにその嗅覚で、人間を救うことも。米ペンシルベニア州では、シベリアンハスキーがガス漏れを察知し、爆発を未然に防いだとして話題になっています。街を守ったヒーロー犬が、飼い主に異変を伝えた方法とは。

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自宅の前庭に大きな穴を掘ったハスキー犬コービー

　ある日のこと、ペンシルベニア州フィラデルフィア在住のシャネル・ベルさんは、4歳の愛犬「コービー」が奇妙な行動をしていることに気がつきました。自宅の前庭に大きな穴を掘り始めたのです。

　コービーはシャネルさんが穴を掘っていれば手伝いますが、それ以外のときは決して掘ることはないそう。そのためコービーが自分に何かを伝えようとしているのではないかと考えたシャネルさんは直感的に、穴の中をガス検知装置で調べてみることにしました。すると、驚いたことにコービーが堀った穴からガスが検知されたのです。

　シャネルさんが当局に通報すると、駆けつけたエンジニアや作業員たちは、すぐにガスを止めて作業を開始。パイプの老朽化とサビによって、近所の3か所でガス漏れが発生していることがわかりました。パイプの修復作業には3日以上かかったといいます。

　シャネルさんがガス検知装置を持っていたのは12月に偶然、自宅内でガス漏れがあったからでした。もしも、シャネルさんの手元に装置がなかったとしたら……。そして、もしもコービーが穴を掘らなかったら……。

　ガスの漏洩を発見されず漏れ続け、壊滅的な結果になっていたかもしれません。シャネルさんは、ガス漏れが呼吸器系に問題を引き起こしたり、脳に損傷与えたりし、最悪の場合には死に至る可能性もあると聞いたといいます。また、照明のスイッチを入れるといった単純なことで、爆発が起きていた可能性も否めません。

　シャネルさんは英ウェブメディア「SWNS」に対し、「コービーが近所一帯を救ってくれたのは素晴らしいこと。彼がいてくれることをとても感謝しています。今回の件で、ガス漏れの危険性と深刻さについての認識がほかの人に広がり、ペットたちの普段と違う行動に注意を払うようになることを願っています」と、その思いを語っています。

　危険を察知して、知らせる行動をしたコービーと、その意味を理解したシャネルさん。互いへの深い信頼を活かして災害を防いだ街で、これからも仲良く暮らすことでしょう。

（Hint-Pot編集部）