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イチゴを食べる時の“NG”とは 栄養士に聞いた風味や栄養を逃さない「正しい」洗い方

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:和漢 歩実

栄養豊富なイチゴ(写真はイメージ)【写真:写真AC】
栄養豊富なイチゴ(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 これから価格が手頃になるイチゴ。見た目のかわいらしさと甘酸っぱい風味で、幅広い年代層から人気のフルーツです。ビタミンCなど健康や美容にうれしい栄養が含まれているのも魅力のひとつ。ただし、洗い方で風味が落ちたり、栄養を逃したりしてしまうことも。栄養を逃さない洗い方や保存方法を栄養士で元家庭科教諭の和漢歩実さんに伺いました。

 ◇ ◇ ◇

イチゴはいつ洗う? ヘタは取る、取らない?

 イチゴの代表的な栄養素として、ビタミンCや葉酸が挙げられます。同量のミカンやリンゴと比べると、イチゴはもっともエネルギーが低く、ビタミンCや葉酸を多く含むフルーツです。ビタミンCは血管をしなやかにし、皮膚に潤いと弾力を与えてくれるコラーゲンの生成に必要なもので、美肌をサポート。葉酸は造血作用や貧血予防が期待されます。

 そのほか、イチゴには目の働きを高め、眼精疲労の予防に注目されているアントシアニンが含まれることでも知られています。ただし、ビタミンCや葉酸、アントシアニンは水溶性なので、洗う際に注意する必要があります。

 ポイントのひとつはヘタです。ヘタを取ってから水洗いすると、水溶性の栄養成分が流出する可能性があります。また水分がイチゴの中に入ってしまい、水っぽい味わいになってしまうことも。「洗ってからヘタを取る」のが良いでしょう。

 もうひとつは、洗うタイミング。イチゴは水分に弱いので食べる直前に洗います。果実がやわらかく傷つきやすいので、ザルに入れて流水でジャバジャバ洗うよりは、ボウルなどに水を張り、1粒ずつやさしく洗いましょう。イチゴをおいしく味わい、栄養をムダなくとるためには、「食べる直前にヘタを取らずに水洗いする」のが鉄則です。

手間でもパックから出して、ヘタを下向きに保存

 買ってきたイチゴをすぐに食べない場合は、まず「洗わないこと」が大前提です。通常、イチゴはパックに入って売られているので、買ってきたらパックにラップをして冷蔵庫の野菜室で保存する方が多いでしょう。

 しかし、イチゴの新鮮さを長持ちさせるためには、手間にはなりますが購入時のパックから取り出し、イチゴが重ならずに保存できる大きさの保存容器に移し替えるのがおすすめ。傷んだイチゴがあれば、この時点で取り除いておきます。容器の底にキッチンペーパーを敷き、ヘタを下向きにして並べると傷みにくくなります。

 イチゴの本来の旬は、露地栽培で春から初夏にかけて。近年はハウス栽培の技術が向上して産地ごとに旬が異なり、クリスマスなどの寒い時期を含め、通年食べられるようになりました。たくさんの品種があり、ブランドイチゴも人気。洗い方や保存方法に留意して、栄養も風味も逃さずいただきたいですね。

 生のまま食べるのがおいしいですが、栄養バランスを考慮すると、イチゴはたんぱく質が少ないため、ヨーグルトに添えたり、牛乳や豆乳と一緒にミキサーにかけてイチゴミルクやイチゴソイにしたりすると良いでしょう。

(Hint-Pot編集部)

和漢 歩実(わかん・ゆみ)

栄養士、家庭科教諭、栄養薬膳士。公立高校の教諭として27年間、教壇に立つ。現在はフリーの立場で講師として食品学などを教える。現代栄養と古来の薬膳の知恵を取り入れた健やかな食生活を提唱。食を通して笑顔になる人を増やす活動に力を注いでいる。
ブログ:和漢歩実のおいしい栄養塾