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体を中から温めるにはどんな食事が最適? 栄養士に聞いた寒い季節を乗り切るポイントとは

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:和漢 歩実

体を温める食の知恵を(写真はイメージ)【写真:写真AC】
体を温める食の知恵を(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 冬本番。体の冷えが気になる季節です。すぐに手足が冷えたり、体が温まりにくかったりする場合は、食の見直しが必要かもしれません。体を温めるために心がけたい食の習慣や栄養などについて、栄養士で元家庭科教諭の和漢歩実さんに伺いました。

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冷えない体に大切なのは朝食

 冷えの原因のひとつに挙げられるのが、食事の栄養バランス。偏った食生活は、体内で熱を作るエネルギーが不足してしまい、体が冷えやすくなります。また運動不足による筋力低下、ストレスによる自律神経の乱れ、貧血や低血圧などが原因で血液の循環が悪くなり、冷えにつながることも。

 また体を温めるうえで、朝食がもっとも大切です。起床後に何も食べないと体温が上がらず、血流も悪いままで、冷えを感じやすくなります。朝に、たんぱく質と糖質を摂取すると、熱を生み出すので効果的です。朝は食欲がなく、朝食抜きの習慣がある人も、ホットミルクなどの温かい飲み物を口にすると良いでしょう。

体を温めるには「たんぱく質、ビタミンB1、C、E、鉄」がポイント

 食を含めた生活習慣の見直しが前提となりますが、心がけておきたい体を温める栄養素5つを紹介しましょう。

○たんぱく質

 肉類や魚介類、豆腐や納豆など大豆製品に含まれるたんぱく質は、三大栄養素の中でもっとも熱エネルギーを発生させ、体を温めます。筋肉が多いほうがより熱エネルギーをつくるため、牛肉や豚肉は脂身の少ないヒレなど赤身のものがおすすめです。魚介類は、生の刺身だと体を冷やすため、煮魚など加熱して食べると良いでしょう。

○ビタミンB1

 糖質の代謝に必要な補酵素です。効率的にエネルギーを生み出し、体を温める作用が。豚肉の赤身やウナギ、タラコ、ぬか漬けなどに多く含まれています。米の胚芽部分に多く含まれているため、毎日食べる精白米を胚芽精米や玄米にするのもよいかもしれません。

○鉄

 血液中のヘモグロビンを構成する主な成分で、貧血予防や全身に酸素を輸送する働きが。とくに、レバーやアサリやシジミなどの貝類、魚では血合い肉などの動物性食品に多く含まれる「ヘム鉄」は、吸収率が良いことで知られています。体を温めるには、まず血行を良くしていきましょう。

○ビタミンC

 鉄の吸収率を良くするので、鉄を含む食材と一緒に摂ると効果的です。野菜や果物に多く含まれます。肉類や魚介類をいただく際に、レモン汁をかけても良いでしょう。

○ビタミンE

 とくに末梢血管の血行を良くしてくれる作用が期待されます。アーモンドや落花生などナッツ類に多く含まれているほか、近年は食品だけでなく、血行促進効果がうたわれているハンドクリームなどにも配合されている成分です。