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お出かけ

元局アナが静岡グルメを堪能 「100年フード」に選ばれた「静岡おでん」とは

公開日:  /  更新日:

著者:日下 千帆

昭和感あふれる静岡市の青葉おでん街【写真:日下千帆】
昭和感あふれる静岡市の青葉おでん街【写真:日下千帆】

 寒い季節に日本人の胃袋を温めてくれるおでんですが、使用されているだしや具材は、地域によりさまざまです。フリーアナウンサーたちが、バトンをつなぎながら日本の良さをリポートしていく連載「とっておき日本再発見」。今回は元テレビ朝日で活躍したフリーアナウンサーの日下千帆さんが、静岡おでんを紹介します。

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静岡おでんのルーツは大正時代

 世代を超えて地域で受け継がれてきた食文化を、文化庁が100年続く食文化として認定する「100年フード」。おでんで唯一選ばれたのが、地元の方が「しぞーかおでん」と呼ぶ「静岡おでん」です。

 今回は、静岡おでんの聖地で静岡市葵区にある「青葉おでん街」と「青葉横丁」に行ってきました。どちらもJR静岡駅から歩いて10分ほど、昭和の雰囲気そのままに赤ちょうちんのお店が20店ほど並んでいます。

 静岡おでんのルーツは大正時代で、戦後の食糧難に牛すじや豚モツを煮込んで広まったのが始まりだそうです。当時は、市役所前の目抜き通りに200以上の屋台が立ち並んでいましたが、再開発で集約されたのだとか。もちろん市内にはほかにも、おでん店が多数あります。

 私がおでん街に到着したのは、土曜日の17時を過ぎた頃でした。まだ時間が早いからどこでも入れるだろうと思っていたら、とんでもない! どのお店もほぼカウンターのみで、7、8人ほどで満席になってしまいます。

 空いてそうなお店を覗いても、予約でいっぱいですと断られること数軒。15時過ぎには開いている店が多いそうで、先に予約を入れるべきだった……と、もうあきらめようかと思ったとき、これから暖簾をかける店を発見しました。

「入れますか?」と聞いたら、「おでんが温まるまで少しお時間をいただきますが」というお返事。さっそく、いちばん奥の席に入れていただきました。

驚くような真っ黒なだし だし粉やみそだれと味わう

黒いだしが印象的な静岡おでん【写真:日下千帆】
黒いだしが印象的な静岡おでん【写真:日下千帆】

 静岡おでんの特徴は、牛すじからとったしょうゆベースの黒いだし。さまざまな具がありますが、必ず食べてほしいのはすりつぶしたサバやイワシを蒸した「黒はんぺん」です。ほかに、タラを使った「信田(しのだ)巻き」や「白焼き」も人気があります。

 どれも珍しい具材ですが、ここはやはり「黒はんぺん」から。お店の方によると、静岡っ子は白いはんぺんなんて見たことないそう。また、驚いたのは、カツオとあおさを粉末にした「だし粉」とアオノリをふりかけて食べることでした。

 静岡では、みそダレも欠かせないアイテムなのだそう。注文すると、甘い白みそがかかったこんにゃくが出てきました。みそダレは、みそ、砂糖、酒、みりんを絶妙に配合してあるそうです。

 静岡空港に中国や韓国から直行便が飛ぶようになったため、いまではインバウンドの観光客もたくさん訪れるようになりました。日によってはカウンターに座るお客様が全員、外国人観光客というときもあるそうです。そのため、店によっては英語やハングルの看板を出しているところもありました。昭和レトロのテーマパークに来たかのようなワクワク感があるおでん通りで、ぜひ楽しいひとときを。

(日下 千帆)

日下 千帆(くさか・ちほ)

1968年、東京都生まれ。成蹊大学法学部政治学科を卒業後、テレビ朝日入社。編成局アナウンス部に配属され、報道、情報、スポーツ、バラエティとすべてのジャンルの番組を担当。1997年の退社後は、フリーアナウンサーとして、番組のキャスター、イベント司会、ナレーターのほか、企業研修講師として活躍中。