どうぶつ
瀕死の子ねこ達が奇跡の生還 シッポが腐敗し医師に「90%助からない」と言われても願った「生きて」
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出会ったときはそれぞれ瀕死の状態だった2匹
そんな“ふたり”と飼い主さんのワサイさんはどんな出会いだったのかというと、今のこの幸せそうな姿からは想像もできないような状況でした。
ミュウミュウくんとの出会いは、まるで映画「天空の城ラピュタ」のようで、ミュウミュウくんが「空から落ちてきた」と話すワサイさん。
「朝からカラスの鳴き声が激しくて目を覚まして見にいくと、カラスが野良の子ねこをくわえて自宅の庭を飛んでいるのが見えたんです。大声でカラスを追い払って、落ちてきたところを保護しました」
保護された直後のミュウミュウくんは、栄養失調と脱水症状で一時は意識不明の状態に陥ったほどの状態でした。
そして、もう一匹のアンナとの出会いさらに壮絶でした。
「隣のブロック塀の上で、目やにがひどく固まっており、目も開かないような瀕死状態のところを保護しました。シッポも腐っていました。衰弱がひどく、動物病院に連れていくタクシーの中でどんどん顔色が悪くなっていき、鼻も口も青くなってきたのを見て、必死に『生きて欲しい』と願ったのを覚えています。診てもらった獣医さんには『90%の確率で助からないだろう』と言われました」
必死の手当てのかいもあり、瀕死の状態から脱したミュウミュウくんとアンナちゃん。飼い主さんは2匹の命を救いました。
「そんな2匹が、今では元気に私の帰りを玄関で待ってくれる姿を見ると、あの時保護して本当に良かったなと。命の尊さと生命力の強さを心から感じています」
救った命から学んだ「元気でいることの大切さ」
かわいい2匹から「健康で元気でいることの大切さ」を学んだという飼い主のワサイさん。
「ねこちゃんは不思議と飼い主が今どういう状態かって分かっていると思うんです。いつもはケージで寝るのですが、私が入院して不在にした時はその日だけ私のベッドで寝ていたり。私が怪我をして階段をなかなか降りれなかった時も一段一段、一緒に降りてくれたり。『あぁ、ちゃんと分かってくれて心配してくれるんだな』そう思いました」
「私も2匹が病気したり怪我したりするのが本当に悲しいので、元気で健康でいることが何よりも大事ですね」
野良ねこたちの暮らす環境は、想像以上に過酷で厳しいもの。危険やストレス、暑さや寒さ……生き延びていくのに、たくさんのハードルが立ちはだかります。
一度は“死の淵”をさまよったミュウミュウくんとアンナちゃんが、こんなにも愛らしく成長したのは、ワサイさんの「救いたい」と思う、強く優しい心があったからでしょう。
少しでもそんな野良ねこの現状を理解し、ワサイさんのように手を差し伸べてくれる人が増えてくれたら。そして無責任にねこを捨てるような人が減ってくれれば……。
「ただいま」「おかえり」そんな何気ないミュウミュウくんとアンナちゃんとの毎日がこれからもずっと続いていくことを心から願って。
(猫ねこ部)