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フローリング掃除のNG行為に注意 掃除のプロが教える正しい方法とは
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教えてくれた人:伊藤 まき
フローリングには、足の裏から出る皮脂や、衣類から落ちる繊維のほこりなど、さまざまな汚れが付着しています。しかし、皮脂汚れを落とすのに有効だからといって、重曹水などアルカリ性の汚れ落としや、酸性のクリーナーで掃除していませんか? 木材を使用したフローリングは、実はとっても繊細。正しい掃除方法を覚えて、きれいな床を保ちましょう。クリンネストの資格を持つ、掃除のプロ・伊藤まきさんにお聞きしました。
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アルカリ性や酸性の洗剤はフローリングを傷める可能性大
長らく日本の代表的な床材となってきた畳に代わって、今やほとんどの家庭で見られるようになったフローリング。おすすめの掃除方法は、濡らしてから固く絞った雑巾でのシンプルな水拭きです。注意すべきは、固く絞るということ。フローリングの表面に水気が残ると、滑る原因にもなりますし、水分を木材が吸い込むことで傷みにつながることも。水分を残さないよう拭き上げ、換気を行って十分に乾かすようにしましょう。
小さいお子さんやペットがいてフローリングの汚れが著しいという場合は、雑巾に食器用洗剤(中性のもの)を薄めた水を含ませてお掃除を。その後は必ず、固く絞った雑巾で仕上げ拭きを行ってください。
セスキ炭酸ソーダや重曹などアルカリ性洗剤を使ってのフローリング掃除を紹介するウェブサイトやSNSを見かけることがありますが、プロとしてはあまりおすすめできません。その理由は、フローリングに施されたコーティングやワックスが剥げてしまう可能性が高いからです。ワックスが剥がれてしまうと水や汚れが木材に吸収されてしまい、カビが生えてしまったり、汚れが落ちなくなってしまったりすることも。きれいにしたいがために行ったことが、結果的に自分の首を絞める結果になってしまうのです。
私が掃除の依頼先でよく見かけたのが、アルカリ性洗剤等を使用してしまったために塗膜やワックスが剥げ、消しゴムの消しクズのような黒ずみが出てしまったフローリングです。こうなってしまうと、一度しっかりとワックスを落として再度ワックスを塗り替えるか、フローリングそのものを交換する以外に手がなくなってしまいます。
ちなみに、セスキ炭酸ソーダや重曹水が含まれたフロアモップ用のお掃除シートを使っての拭き掃除も同様に、フローリングを傷める可能性があります。「汚れがよく落ちる」ということは、皮膜や塗膜、ワックスなど、重要なものも落ちてしまう可能性が高いということ。そのことを理解したうえで、適切に掃除をしましょう。
(和栗 恵)
伊藤 まき(いとう・まき)
整理収納アドバイザー1級、クリンネスト2級。ホテル清掃員や国鉄系レストランの厨房、内装会社、デパートの搬入搬出などで経験を積み、出版社に入社したのち独立。掃除しながら片づける「整理収納のプロフェッショナル」として各種ウェブメディアで記事を手がけ、掃除本の編集ライターとしても活躍中。
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