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「理解できず3度見しました」 リアルすぎるイチゴサンドの正体に驚きの声 描いたのは日本画家
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鮮やかな色のイチゴとたっぷりのクリームが挟まったフルーツサンド。パッと見ただけでは、まるで本物ようにリアルですが、実は日本画です。日本画と聞くと、掛け軸や水墨画などをイメージする人も多いと思いますが、意外性あふれる作品にX(ツイッター)で大きな注目が集まっています。作者の大森亜矢子(@_aya_1011_)さんに、詳しいお話を伺いました。
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制作期間は4日間 こだわったのはおいしそうに見える色選び
大森さんは、三兄弟の育児に奮闘するなか、自身のSNSや展示会を通してオリジナルの日本画アートを発表しています。小さい頃から絵を描くことが大好きで、保育士の仕事から一念発起。美術学校に通い、日本画を学びました。
今回話題になったのは、断面が美しいイチゴサンドの日本画です。ふわふわ生地の食パンに挟まれた真っ白なクリームと、色鮮やかでみずみずしいイチゴを丁寧に表現。とてもおいしそうで、思わず手が伸びてしまいそうです。
制作期間は4日間。とくに、パン生地の質感を表している気泡のひとつひとつを描くのにはかなりの手間がかかったそうです。
「乾くのに時間がかかる画材を使っているため、背景を塗って乾くまでの間に晩ごはんを作ったり、イチゴを塗って乾くまでのあいだに子どもたちをお風呂に入れたり、時間を有効的に使って仕上げました。背景は、刷毛や連筆(れんぴつ・筆が複数個繋がった、刷毛と筆の中間くらいの仕事ができる道具)で塗っています。イチゴサンド本体は筆です。パン生地の凹凸の下地に海綿も使いました。こだわった点は、色選びです。『おいそう!』とひとめでわかってもらえる色になればいいなと思いながら選びました」
大森さんのこだわりが詰まったイチゴサンドの日本画がXで公開されると、9000件を超える“いいね”が。リプライ(返信)には、「実物を写真に撮ったとしか思えませんね」「とってもおいしそうで、ヨダレが……」「わあーかわいいです 日本画ってこういう表現ができるんですね」「えっ? 描いた…? 理解できず3度見しました」などの声が上がり、たくさんの人が作品の虜になりました。
独特のデコボコキラキラとした絵肌感が日本画の一番楽しいポイント
「日本画は天然素材で描くところが定義」という大森さん。日本画を描くときの筆や刷毛も、動物の毛のものを使用することにこだわっています。普段、あまり触れることのない日本画にはどこか格式が高い印象がありますが、大森さんによると日本画ならではの楽しみがあるそう。
「岩絵の具の鮮やかさや、独特のデコボコとした絵肌感がいちばんの楽しいポイントだと思います! 地球が何万年もかけて生み出した鉱物や、行ったことのない世界各国の土などの粒子で描くところにロマンがあり、魅力を感じています。日本古来の昔ながらの技法で描くところも、昔の人とつながれたような気持ちになれてうれしいなと感じますね」
さまざまな思いがこめられた大森さんの作品には、見る人の心をほっと和ませる力があります。今まで手がけた作品の中で、大森さんがとくに気に入っているのは、日本人にもなじみのあるグルメを描いたもの。
「『マルゲリータひとつ』は自信作です! 初めて丸型の木製パネルに挑戦した作品で、ピザ生地の粉っぽいデコボコ感たっぷりに描けてとても楽しかったです。また、SNSのアイコンにしている『梅干しおにぎり』もとても気に入っています。白いお米に、梅干しがひとつ。飾らず、『日の丸』で日本画らしく、食べる家族への愛情がギュッと結ばれていて、私らしいアイコンだなと思っています」
大森さんは、3月6日(水)から30日(土)に個展「『おいしい、うれしい』日用品とお菓子の店sofar-ソファ-」(東京都小金井市)を開催予定。また、5月29日(水)から6月17日(月)には、ほかのアーティストと共同で開く日本画三人展「おいしい時間」ギャラリーカフェCAMELISH(東京都港区西麻布)に作品を出展する予定だそう。ユニークでかわいらしい日本画を、より身近に感じることができそうですね。
(Hint-Pot編集部)