カルチャー
韓国人観光客がとんかつ「和幸」を高く評価する理由 YouTube運営者「食べ方は“3・3・3“ お代わり自由で満腹」
公開日: / 更新日:
日本を訪れる韓国人観光客が旅行前に参考として利用しているのがYouTubeの動画です。中でも日本の食文化を紹介している韓国人が運営するチャンネル『土曜日の東京』(原題は韓国語)は吉野家、鳥貴族、和幸など大手外食チェーン店を特集した動画を年明けに公開し注目を集めました。同チャンネルを運営する都内在住の会社員パク・トドさんは「日本の大手外食チェーン店はどれも素晴らしいですね」と称賛します。その理由を聞きました。
◇ ◇ ◇
大手すしチェーン店のネタやシャリの大きさ、酢の強弱を分析
YouTubeチャンネルの開設から2年。ガイドブックやグルメサイトに掲載されている有名店はできるだけ避け、ディープな居酒屋やスナックを“探訪”する動画を多数公開してきた30代後半のトドさん。今回、日本の外食チェーン店を取り上げた大きな理由は年末年始特有の事情がありました。
「大みそかやお正月はほとんどの飲食店が閉店していました。そんな中にあっても吉野家や松屋、富士そばなど大手外食チェーン店はオープンしています。それで興味を持ったという面もありますし、チャンネルのコメント欄に韓国の視聴者から日本の外食チェーン店についてリクエストがあったこともきっかけとなりました。ですから今回の動画は『特別編』という位置付けです」
動画は大手すしチェーン店「みさき」「魚がし日本一」「立ち寿司横丁」の比較からスタート。店舗ごとにネタやシャリの大きさ、酢の強弱を比較するなどかなりマニアックな分析をした後で、とんかつチェーン店の「和幸」を取り上げています。興味深いのは和幸での食べ方を「3・3・3」としていること。
「とんかつチェーン店は松のや、かつやなどがありますよね。私は和幸が好きです。値段は少し高めですが、盛り付けがきれいですし、ご飯、キャベツ、しじみのみそ汁のお代わりが自由です。私は和幸では『3・3・3』を心がけています。ご飯、キャベツ、みそ汁を3回ずつお代わりする、という意味です。満腹になりますしこれが楽しくて和幸にハマってしまいました。韓国から来た友人を連れて行ってもいつも満足度は70~80点と高評価です」
日本の外食チェーン店の代表格と呼べるのが牛丼の吉野家でしょう。その味をどう伝えているのでしょうか。
「日本の3大牛丼チェーン店のうち、私は吉野家の味が一番マイルドで好きですね。玉ねぎが多いから全体に甘味があって牛丼自体の“根本力”があると思います。ただ、松屋は牛丼を注文するとみそ汁がついてきますし、すき家はトッピングが豊富。女優の石原さとみさんがCMキャラクターを務めていることも長所です(笑)」
動画は主に外食チェーン店のメニューについて取り上げましたが、それ以上に日本の外食チェーン店には別の魅力があるといいます。
「地方都市に行っても松屋や日高屋の店舗があります。全国どこの店舗に行ってもいつもと同じ味が楽しめるので安心感があります」。
インタビュー取材に同席したトドさんの婚約者で動画の共同運営者は「女性の私も実は外食チェーン店をよく利用します。私の場合は、料理の“味”というよりも、『日本に来ている実感が湧く』という体験です。1人で入店して日本の皆さんと一緒に牛丼をほおばっていると、『日本人の日常に溶け込んでいる』という実感が湧きます。韓国では女性が1人で食事をするという“ぼっち飯”の光景はまだまだ少ないからかもしれません」
お1人様でも安心、しかもどこで食べても安心できる同じ味。韓国人ユーチューバーが力説する日本の外食チェーン店の魅了は、日本人にとっても新たな“気付き”となりそうです。
(Hint-Pot編集部/クロスメディアチーム)