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「米国じゃありえない!!」 外国人プロ野球選手たちが驚愕する日本の“文化”とは

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部・出口 夏奈子

落とし物として多い携帯電話(画像はイメージ)【写真:写真AC】
落とし物として多い携帯電話(画像はイメージ)【写真:写真AC】

 落とし物や忘れ物が、落とし主の手元に無事に戻って来る国――外国人旅行者からたびたび聞かれる日本の安全神話のひとつです。それは“助っ人”として来日したプロ野球の外国人選手にとっても同じこと。実際に外国人選手の財布や携帯電話などの紛失対応をすることもある埼玉西武ライオンズの町田義憲通訳に、これまでの体験談などを伺いました。

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外国人選手が紛失した財布や携帯電話はほとんど戻る日本

 球団通訳になって10年目の町田通訳は、これまでにたくさんの“助っ人”外国人選手たちのサポートを行ってきました。そのなかには、忘れ物や落とし物をして困ってしまった選手たちの対応も多いそうです。

 選手から「落とした」「失くした」という相談を受けると、町田通訳が最寄りの警察に届け出たり、お店などある程度、落とした場所がわかっていれば、そこに電話して探してもらったり、日本語が話せない選手に代わって、球団通訳たちが探すといいます。

 携帯電話の場合は、電車のなかに置き忘れてしまうことが多く、そのまま電車が終点まで行ってしまうことが多かったとか。そこで終着駅に連絡してみると、「届いていますよ」とすんなり見つかったこともあったそうです。

「米国じゃありえない!!」 中身もそのままで手元に戻ってきた財布

「実はいろんな選手が出先で落とし物や忘れ物をすることが多くて……。しかし、今のところかなりの高い確率でほぼそのままの状態で戻ってきています」と町田通訳。

 日本が安全な国だからと、外国人選手たちも気が緩んでしまうのでしょうか?

「それもあるかもしれませんね。日本が安全な国だということは、肌で感じていると思うので気が緩んでしまうことはあると思います。ただ選手たちは、結構ひとつのことに集中しがちで、集中してしまうとほかのことを忘れてしまうようなんです」

 母国で、落とした物が戻ってくる経験をほとんどしたことがない外国人選手たちは、財布や携帯を失くしてしまうと、落ち込んだり、不安になったりするようです。そんなとき、長く日本でプレーする先輩“助っ人”たちが、決まってこう励ますといいます。

「大丈夫。日本は落としても戻ってくるよ。多分見つかるから大丈夫だよ」

 印象的だったのは、米国から来日した選手の驚きぶりだったとか。実際に落とした財布が、中身もそのままで手元に返ってきたのを目の当たりにして、「すごい! 米国じゃありえない!!」と感激していたそうです。

(Hint-Pot編集部・出口 夏奈子)