ライフスタイル
花選びのタブー お見舞いに贈るときのポイントは色と香り 知っておきたい贈り手のマナー
公開日: / 更新日:
教えてくれた人:のなか りえこ
お世話になった人が体調を崩したり、入院したりした際にお見舞いとして花を贈ることがあります。早く元気になるように願いを込めて贈るものですが、昔からお見舞いの花としてNGとされているものもあるようです。フラワー&グリーンコーディネーターののなかりえこさんが解説します。
◇ ◇ ◇
お見舞の花選びに気を付けることとは 「鉢、色、香り」
お花を贈るシーンはたくさんありますが、相手の回復を願うお見舞いの花は、タブーとされることを配慮して選びたいところです。直接病室に届ける場合は、生花の持ち込みを禁止している病院もあるので、事前に確認しましょう。そのうえで、花選びで気をつけたいポイントを紹介します。
1つは、鉢植えです。お見舞いに贈ることは、昔からタブーといわれています。これは植物が土に根を張っている様子が「根付く」で、「寝付く」に通じることから、病気やけがが長引くことを連想させるためです。また土が入っているので、生花よりも虫がつきやすく、お見舞いには適さないとされています。
続いて、色です。白や青、紫系の控えめな色の花は、お悔やみのシーンで選ばれることが多いため、避けたほうが良いでしょう。贈る花の色合いが寒色主体になってしまうと、寂しげで元気のない印象になってしまい、お見舞いの花としてはあまり向きません。
もし相手の好きな色だった場合は、差し色で使ったり、明るい色のお花と合わせたりするなどして、寂しい印象にならないようにすると良いでしょう。濃い赤がメインの花も、血を連想させるためお見舞いには適しません。
香りにも注意が必要です。華やかな香りは花の魅力でもあるのですが、ユリやスイセン、フリージア、ストックなど、とくに強い香りを放つ花は、心身ともに敏感な状態でいる相手のお見舞いには不向きでしょう。
このほか、花首からぽとりと落ちるツバキも、縁起が良くないといわれています。枯れて色が褪せるアジサイも、お見舞いには避ける傾向が。また花粉が落ちたり、花びらが散りやすかったりする花も避けたほうが良いでしょう。
飾りやすいコンパクトなアレンジメントを
お見舞いの花は、花瓶が必要な切り花のブーケよりも、そのまま飾れるアレンジメントがおすすめです。サイズは、置き場所を考慮して、大きなものよりもコンパクトなほうが受け取る側も飾りやすいでしょう。
気持ちが前向きになり、元気が出るような色合いがおすすめです。しかし、相手によっては、ビタミンカラーのオレンジや黄色は強すぎる印象を持つこともあるかもしれません。パステルカラーのやわらかく優しい印象のお花もおすすめです。同系色でグラデーションにしたり、薄い色を差し色にしたりすると、まとまりやすくなります。わからないことは「お見舞いの花を探している」ということを、花店のスタッフに相談すると良いでしょう。
お花を贈るタイミングは、快方に向かい始めたときに贈るのがベスト。入院直後や手術前後だと、精神的にも体力的にも、お花を楽しむ余裕がなく相手の負担になってしまうこともあります。また、退院直前も避けたほうが良いでしょう。その場合は退院祝いや快気祝いとして、自宅などに贈ると良いですね。
(Hint-Pot編集部)
のなか りえこ
フラワー&グリーンコーディネーター。インテリア商材を扱う仕事から花の世界へ。現在はフリーで活動中。花と植物に関する提案・制作(装花・装飾・植栽など)を中心に行う。
インスタグラム:euh___piece