どうぶつ
逃亡先で楽しそうな愛猫 逃げた元保護猫を捕獲するまで 用心を重ねるも再び起きた脱走劇
公開日: / 更新日:
猫を家族の一員としてお迎えする方法として、保護猫の譲渡を選択する人が増えています。さまざまな誓約を交わし家族の“ひとり”となった子が、安全に幸せに暮らせるようにするには、どんなことに気をつける必要があるのでしょうか。コラムニスト・峯田淳さんが、保護猫活動について連載する企画。今回は、元保護猫の愛猫が脱走してから捕獲するまでの経緯や、その後の様子を綴っています。
◇ ◇ ◇
「突然、ガシャガシャ、バタン、ガシャ」 捕獲器で暴れまくっていたのは…
クールボーイが脱走して気がついたのは、「正式譲渡契約書」に「脱走防止対策を行う義務を負う」という厳しい項目があることでした。脱走して初めて、その言葉の重さを実感することができました。
いなくなって3日目も4日目も寝ずの番です。クー(編集部注:クールボーイの愛称。以下、同)の姿を見つけた、我が家から4軒目の空き家に何度も見にいくと、クーがいました。その隣にはボス猫のような茶トラの猫の姿が。クーは尻尾を振りながら楽しそうです。なんだか不良仲間に連れていかれて帰って来なくなった子どもを見ているようです。声を潜めながら「クー!」と声をかけても、こちらを見てくれません。
仕方なく、また勝手口に置いてある捕獲器までカリカリを撒いて、誘導するようにしました。寝不足で、もうヘトヘトでした。
5日目。夜7時頃、ビールを飲みながらテレビを見ていたときです。突然、ガシャガシャ、バタン、ガシャ……とものすごい音がしました。何ごと? とゆっちゃんと顔を見合わせます。次の瞬間、「クー!」とお互い瞬時に叫んでいました。いや、クーじゃなく、よその猫か、野良猫かも。
ライトを手にし、取るものもとりあえず、玄関を出ます。捕獲器の中には新聞紙を敷き、いつも使っているタオルも。その先にカリカリ……。外側にはタオルケットを被せています。ガシャガシャだった音はドッタンバッタンになり、暴れまくっている様子がわかります。そっとタオルケットをはがすと、そこには紛れもなくクーがいました。
「クー!」
あとから出てきたゆっちゃんも「クーなの?」と声を上げています。「心配かけて!」と叫んでもクーは早く捕獲器の檻から出たいだけです。
「わかった、わかった」
把手を掴んで玄関まで移動させ、前方の金具をはずしてクーを外に出してあげました。クーは脱兎のごとく2階に駆け上がり、消えました。騒ぎを聞いて玄関に出てきたジュテとガトーは狂ったように逃げるクーに呆気に取られていました。
これが最初の脱走劇の顛末です。戻るまで5日間。本当にやれやれです。それからはサッシにストッパーをつけ、サッシを開けるときや外出する際は、近くにいないか、用心に用心を重ねていた、つもりです。
しかし、その3、4か月後、おそらく寝室のベランダから隣の家の屋根へジャンプしてしまうわけです。