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「日本円やカードも持たず」にタクシー乗車 現役タクシードライバーが明かす外国人観光客増の影響とは
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新型コロナウイルス感染症の分類が5類に変更されると、その後は待ってましたとばかりに街中に外国人旅行客があふれるようになりました。耳にすることが増えた、さまざまなインバウンド効果。それでは、コロナ禍には運転手の離職が相次ぎ、人手不足が懸念されていたタクシー業界には何か変化はあったのでしょうか? 都内の現役タクシー運転手に話を聞きました。
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インバウンド客増加に伴い、英語が話せるタクシードライバーも増加中
――昨年から外国人観光客の増加が報道じられていますが、実際に変化は感じますか?
「昨年の夏休みシーズンから、外国人のお客様が急に増えたなという印象があります。それまでは、外国人観光客の乗車は1日に2~3組だったのが、倍近くに増えました。
また、東京駅八重洲口と羽田空港の国際線には、東京タクシーセンターの認定資格である『English Certified Driver』という英語検定に合格したドライバーしか入れない優先レーンがあります。そこに来るタクシーの数が一気に増えました。英語が話せるタクシードライバーの需要は確実に増えているので、ホテルやバスタ(新宿高速バスターミナル)、そのほかの主要駅にも優先レーンを増やしてほしいですね」
――外国人観光客の目的地はどこが多いですか?
「遊びに行った先からホテルに戻るというケースが一番多いですね。訪日リピーターが増えた影響からか、おそらく日本体験の1つとして昼間は電車移動をしている方が多いのではないでしょうか? 日中は都内の電車でたくさんの外国人旅行客を見かけます。
また、東京駅へ行かれるお客様も増えました。東海道新幹線で京都や大阪をへ向かう方が多いようです。また、東北新幹線や北陸新幹線に乗られるお客様もいました。
そういえば、最近また『新宿歌舞伎町のロボットレストラン(現在はサムライレストランにリニューアル)まで』と言われることが多くなりました。以前から人気があったのですが、コロナ禍の休業から復活して、再びにぎわっているようです」
――コロナ前と変わったことはありますか?
「以前は六本木や銀座など、街の名前を言うお客様が多かったのに対し、リピーターが増えた影響でしょうか、最近はピンポイントで飲食店の名前と住所を言ってくださる方が多いです。スマホで店舗情報の画面を見せてくださったり、繁華街からちょっと離れた飲食店にも行かれたりします」