一風変わった家庭菜園で、普通のニンジンとは「比べ物にならないくらいの甘み」が実現しました。なんとペットボトルを使い、さらに液体肥料でひと工夫。ペットボトルの容器が窮屈なぐらい、丸々と育っています。ユニークな栽培方法はSNSでも話題を集めました。家庭菜園歴3年目という、みかんぼうや1987（@mikanbouya1987）さんに詳細を聞きました。

　◇　◇　◇

「畑も花壇も使わない省スペースで成果を挙げられないか日々実験を繰り返しています」

「900mlのペットボトルで人参育てたらめちゃくちゃデカくて綺麗なやつ収穫できた!! !! !!　ちゃんと五寸人参!!

　1番伝えたいのはめちゃくちゃ甘くて『柿』みたいな甘さの人参だったって事!! !!

　こんなパツパツの容器で大きく育ってくれてありがとう」

　みかんぼうやさんのX（ツイッター）投稿は7100件以上の“いいね”を集める大反響。「これは凄い　お見事です」「私でもお家で気軽にできそう！　楽しそう！　自分で作り育ててみたかったのでやる気出ました」「こんな栽培方法があるんですね！　ビックリ」「綺麗な人参すごい　省スペース実現ですね」など、驚きが広がっています。

　36歳のみかんぼうやさんは、農業とは無縁の家電量販店勤務。「その反動からか自然が大好きです。笑」。コロナ禍を機に家庭菜園にチャレンジしているそうです。個人のテーマを持っていて、「庭が狭いので畑も花壇も使わない省スペースで成果を挙げられないか日々実験を繰り返しています。同じような悩みの人が参考になればと、SNSで最近情報発信するようになりました」と言います。

　自宅で簡単に挑戦できそうなペットボトル栽培。「去年ペットボトルで太い大根が作れたので、今回はニンジンで挑戦してみました！　普通プランターでもそれなりのサイズがないとニンジンは育てられないので、これだったらマンションのベランダとかでも作れて面白いなって思って実験しました」と、発想を思い付いた経緯を教えてくれました。

　昨年9月に種を植えて屋外で育てたそうです。独自の栽培方法とはどんなものなのでしょうか。

「水耕栽培と分かりやすいように伝えてますが、土を使わない養液栽培になります。バーミキュライトという無機物を土の代わりに使用しています。バーミキュライト自体は土と違って無菌で栄養がないので、液体肥料を湿らせて野菜に栄養を供給しています。箱に入れて、養液をためておくことで常に栄養を供給し続けています。ペットボトルの下から2センチくらいは液体肥料で浸している状態です」。非常にユニークですね。

　養液栽培には効果があるそうで、「同じ面積で普通の土でやった時よりも、栄養が多く獲得できるので、通常ではありえないサイズに育てることができました」と教えてくれました。

　一方で、常に水で浸っていることから根腐れや生育不良のリスクもあります。「うまくいくかは正直分かりませんでした。しかし、ふたを開けてみると想像以上に丸く大きいニンジンが育っていたので、思わず大声を上げて喜んでしまいました！　すげー！　と何度発した事か、、、笑」。トライしてみて大成功でしたね。

「柿か？ってぐらい甘味があり、家族全員が目を丸くして驚いていました」

　実際に食べてみると、新発見が。甘味です。「柿か？　ってぐらい甘味があり、家族全員が目を丸くして驚いていました。この甘さの秘訣（ひけつ）は、寒い時期に育てたという点が大きいです。寒くなることで野菜自身が凍らないように糖分を作り出し甘くなるようです。種まき時期を9月くらいにしたのがよかったのかもしれません」と分析。また、「水耕栽培でいつも育ててる野菜は比較的甘みがあります。これに関しては理由が分かりませんが、土耕栽培と水耕栽培で比較をした時に水耕栽培が甘かったという例がありました」と説明してくれました。ちなみに、ニンジンの葉っぱはふりかけにしたそうです。

　大反響を受け、「朝起きたらコメントやリポストを知らせる通知がたくさんきており、とてもうれしかったです！　スクロールしてもスクロールしても一向に終わりが見えなく、胸が高鳴りしました。皆様のやってみたい！　とかすごい！　とかのコメント1つ1つに、やってよかったー！　って心から思えました。そしてすぐに分かりやすいように動画を作って公開しました。本来なら10分くらいの動画を時間かけてYouTubeで公開するのですが、2分くらいの動画を作って急いでアップさせていただきました。これをきっかけに家庭菜園始めて、楽しさを共有できる仲間が増えればすてきだな！　と思いました！」。もっともっと同じ趣味の仲間が増えそうですね。

　みかんぼうやさんは、スターバックスコーヒーのカップで二十日大根を育て上げるなど、驚きの手法を続々展開させています。どんどん栽培のレパートリーが加わりそうで、次なる収穫が楽しみですね。

（Hint-Pot編集部／クロスメディアチーム）