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中学受験終了 栄冠勝ち取った長男に父が贈った『スラムダンク』 「母校に貢献できる人が素敵」

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部/クロスメディアチーム・吉原 知也

東大合格者数日本一を誇る開成学園【写真・Hint-Pot編集部】
東大合格者数日本一を誇る開成学園【写真・Hint-Pot編集部】

 首都圏の私立中学受験が一段落しました。某最大手進学塾で30年ほど数学と算数の指導およびマネジメント経験を積んで独立した元塾講師が長男の中学受験の日々をXで公開し注目を集めています。「志望順位は筑駒≧渋渋≧開成」と明かし、この3校の合否をすべて公開すると多くの反響が寄せられました。長男と二人三脚で乗り越えた入試の日々を聞いてみました。

 ◇ ◇ ◇

渋幕合格 渋渋不合格 「人気のブーストがかかった」

 長男の受験スケジュールを赤裸々に公開していたのは投稿者の青山ミノル(aoyama_math_edu)さん。「教え子達は全国模試1位を度々獲得。旅・キャンプ・マラソン・料理・酒・男子2人の父」と自己紹介している青山さんは、一昨年春からYouTubeとオンライン指導の周知を目的にX投稿を始めています。「青山ミノル」はビジネスネーム。長男の顔出しも避けているため、入試スケジュールを公開しても「個人特定」などのリスクは特にないと判断したうえでの投稿でした。

 長男の第一志望群は秋口まで「開成=筑駒>海城=渋渋」でしたが、以降は「筑駒≧渋渋≧開成」に変更。東京大合格者数日本1位の開成より渋渋を上位に置いていたため受験生を持つ親や教育関係者らから注目を集めました。理由は「渋渋については渋谷周辺の活気ある場所に魅力を感じています。特に渋渋の国際教育の充実ぶりや自主性を尊重する気風に期待しています。筑駒(筑波大学附属駒場)は国際教育の面では不足を感じつつも、本人が説明会と文化祭で惚れ込んだため第1志望にすえています」と語っていました。

 長男の受験スケジュールは2月1日開成、2日渋渋(2回目)、3日 筑駒、5日 渋渋(3回目)でした。

 結果は…。

2月1日 開成          合格
2月2日 渋渋(2回目)     不合格
2月3日 筑駒          不合格
2月5日 渋渋(3回目)     不合格

 渋渋の3回目の結果が判明した際には「さすがにこの結果は、受験に慣れている私でも、受け止めに30分ほどかかりました」と明かした青山さん。とはいえ、各塾の偏差値評価的には渋渋より格上となる1月22日の渋谷教育学園幕張(千葉市)には合格していました。これは見事な勝ち星でしたが、自宅からの距離的な面で渋幕は力試しとなり、「進学先としては考えてませんでした」。渋渋の難化については「年々高まってきた人気の上昇カーブの上がり具合が、今年いよいよブーストがかかったということなのかもしれませんね」と分析しました。

 結果が出そろったことで開成中への進学を決めた長男。先日行われた開成中の入学者説明会に親子で出席しました。青山さんは「『自分自身が開成生だ』という強い自覚を持って、臨むべきだと思うよ。とかく入学者説明会というものは、『学校が何をやってくれるのか』ばかり考えてしまいがちなんだけど、そんなことより、『自分自身が何をもって、将来の母校となる学校に貢献できるのか』を考えながら参加する方が、お父さんは素敵だと思う」という話をしました。あどけなさの残る長男の顔つきの中に一瞬、キリッとした青年らしい表情が垣間見えたような気がしてうれしくなった、と言います。

 今回の受験について改めて聞くと「たしかにわが家は開成より渋渋に魅力を感じていたのは事実なのですが、その差は決定的なほどには大きなものでもなく、開成も基本的には魅力的な学校であると考え第一志望群の一角には入れていて、2月1日の受験校として、あえて渋渋ではなく開成の受験を選択しました」と振り返りました。

 青山さんにとって「受験勉強」の本質とは「よりよい進学先を確保する手段としてだけでなく、学力伸長の最良の機会としても考えていたため開成中の受験を優先することにしたという側面もあります。また、入試の結果、進学先として開成を選択することになりました」と締めくくりました。

 栄冠を勝ち取った長男に青山さんがプレゼントしたのは漫画「SLAM DUNK スラムダンク 新装再編版 全20巻セット」。見事にゴールを決めた長男への最高の贈り物になったことでしょう。

(Hint-Pot編集部/クロスメディアチーム・吉原 知也)